内容説明
近代化に遅れたオスマン帝国は、18、19世紀西欧化、近代化を目ざして改革を行い、文学にも新しい動きが起こる。19、20世紀、近代文学の発展期に入ると、社会派作家は、作品を通じて政治体制、社会構造の矛盾を説き、改革の必要性を強く訴えた。危険思想の持ち主とみなされ、刑の宣告を受け、服役した者も多い。本書は更に芸術至上主義、民族主義など、多くの作家と作品にもふれ、トルコ近代文学の発展と成熟を平易に解説する。
目次
第1章 トルコ近代文学の黎明(はじめに;オスマン帝国時代の文学;タンズィマート期(一八三九~七六)の文学とその後の発展)
第2章 トルコ近代文学の発展(新文学―セルヴェト・イ・フヌーン(学問の富)時代
民族主義文学の勃興
近代文学の発展)
第3章 トルコ近代文学の成熟(概観;文学に新風を吹きこんだ人々;社会派リアリズム作家たち ほか)
著者等紹介
保科真一[ホシナシンイチ]
1923年神奈川県生まれ。東京大学法学部卒業後、労働省に入り、宮城労働基準局長を最後に退職。労務コンサルタント自営後、銀座アスター食品(株)に入社し、同社顧問、専務取締役を経て、1998年退社。日本トルコ協会会員、地中海学会会員
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