内容説明
朝日新聞記者、東方時論主筆として筆名とどろく正剛はパリー講和会議を見聞して日本の外交官の無能堕落に激怒、新聞と講演で攻撃を加え、ついで電力の鬼松永安左エ門を破って衆議院議員に転身。自由民権の旗のもと、雄弁をもって田中義一内閣を倒す。赤色ソ連承認論、シベリア出兵反対論、そして孫文の大アジア主義に共鳴して昭和15年、国技館の演説会で数万の群衆を熱狂させた。右往左往の政党政治は軍閥に権力を奪われ、その行く手に国家の破滅を予見した正剛は、猛然と軍閥に切りかかる。昭和18年10月27日―破滅する国家を救えなかった政治家としての責任をとる―と正剛は切腹する。官僚的俗物政治家の危険性は?雄弁の神髄は?中野正剛門下の碩学の力作。
目次
第1章 大西郷と王道的第二維新の嵐
第2章 頭山満と玄洋社
第3章 青雲への道
第4章 原敬(政友会総裁)暗殺前後
第5章 いわゆる某重大事件(張作霖爆殺)
第6章 満洲事変への道
第7章 日中全面戦争に突入す
第8章 東条内閣を撃て