内容説明
荒れ果てた羅生門の下で雨宿りをしていた、職を失い行く当てのない下人が、生きるために盗人に早変わりする。下人の心理の推移を通して人間の「エゴイズム」「醜さ」を描き出した「羅生門」。風采のあがらない小役人、五位が持っていた「一度飽きるほど芋粥を食べたい」という願望が、思いがけず実現することになってしまう。叶わぬ夢や、希望を抱き続けることが、案外人の生きる支えになっているということを明らかにした「芋粥」。芥川龍之介の初期の名作2編を収録。レベル5。
著者等紹介
芥川龍之介[アクタガワリュウノスケ]
1892‐1927。東京生まれ。東京帝国大学在学中、菊池寛らとともに同人誌「新思潮」に参加して創作を開始、「羅生門」を発表する。「鼻」が夏目漱石に絶賛され、文壇の注目を集めた。代表作品に、古典から着想を得ながら、みごとに現代風に仕上げられた短編小説「芋粥」「藪の中」「杜子春」など。35歳のとき、服毒自殺により他界(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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