内容説明
夏海は、高校受験を控えた中学三年生。横浜に住んでいたが、九歳のときに両親を交通事故で亡くし、妹の冬海といっしょに、軽井沢の祖父母にあずけられていた。ある日、夏海は祖父の書斎で、母の“作文”を発見する。読み進むうち、夏海は心の中でさけんでいた。自らの“血”に、歴史に向き合い、「夏が終わるまでに、何か自分らしい、いまできることを」と、夏海は考える―。
著者等紹介
和田登[ワダノボル]
1936年、長野県生まれ。信州大学教育学部卒業。「虫」で第1回日本児童文学者協会短編賞。「悲しみの砦」(岩崎書店)で第1回塚原健二郎文学賞
和田春奈[ワダハルナ]
1967年、長野県生まれ。東京家政大学短期大学部卒業。デザイン事務所を経て、挿絵、装丁の仕事に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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菱沼
3
2011年に書かれた『キムの十字架』からつながる物語。9月に行ってきた松代象山地下壕の様子がほぼそのままに描かれている。ノンフィクションの形を借りたフィクションなのかもしれないけれど、すみずみまでリアルだと思う。もう一度長野に行きたい。2015/11/02
ひっちゃん
0
長野県松代を舞台にした「キムの十字架」の続編ともいえる作品。夏海という女の子が、自分のルーツを知るべく、ばあばのことを理解すべく、知り合った人たちに話を聞きにいく。物語の中で一緒に話を聞きにいく小さい旅で出かけたような気持ちになった。アンネのばらが象徴するような平和を願う心を大切にしたい。2016/12/10
kei♪
0
自分に混じっている血、歴史、それらに向き合う中学生の話。戦時中、戦後と日本人には聞くのも辛い話も出てくる。恨という言葉が出てくる。その感情をどう抑えるのか?発散させるのか?難しい。途中に出てくる祖母の詩も切ない。教えてください 虹の橋のかけかたを や この国に政治の橋がかかるまで許してください2016/05/23
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