内容説明
技術協力を成功に導く鍵とは何か?プロジェクトから20年後、技術は農民に根付いたのか?―。
目次
第1部 農業発展と技術協力(技術協力の前提としての農業発展の考え方;農業発展史と農業開発;農業生産と技術の歴史的背景;日本の技術協力による農業・農村開発プロジェクト)
第2部 インドネシア農村における農業技術協力の現場から(JICA「農業農村総合開発計画プロジェクト」からの経験;南東スラウェシ州における伝統的農業と農村を知る;トラキ族の伝統的社会)
第3部 村人が技術を受け入れるとき(新しい農業としての水稲栽培;水田が持続している村、していない村;農業・農村開発を技術移転から考えること)
著者等紹介
西村美彦[ニシムラヨシヒコ]
1946年群馬県生まれ。1969年東京農工大学農学部卒業。1997年筑波大学で博士号(農学)取得。1969年から海外技術協力事業団、現国際協力機構(JICA)勤務。この間、ネパール農業専門家(2年)、国際半乾燥熱帯作物研究所(ICRISAT)研究員(2年)、インドネシア農業専門家(3年)で赴任。1997年に名古屋大学大学院国際開発研究科教授として農村・地域開発を専門として研究教育に従事。2010年から琉球大学観光産業科学部教授として農村・島嶼観光開発を担当し、学部、大学院で教鞭をとる。専門分野は農業・農村開発、熱帯作付体系、プロジェクトマネージメント(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KakeruA
1
80年代までの技術主導型途上国支援から90年代以降の参加型持続的なアプローチの変遷に触れ、筆者がインドネシアで行った支援事業について。変遷の中で文化人類学的なアプローチによる村民の理解や村の成立を通して、開発計画の企画実施運営評価を行う。ハードの整備では生産性を重視しつつも、環境問題や社会環境と新たに浮かび上がる課題に対応し、柔軟な姿勢が求められ、教育などのソフトがそれを支えるという。社会の変容に対応して新たな価値を付与する第6次産業化が途上国での支援、ソーシャルデザインが活躍する背景について理解できる。2015/06/15
OMG
0
好きなフレーズ。「彼らに何をしてあげられるか」ではなく「彼らは何ができるようになったか」でなくてはいけない。2017/07/12