目次
第1章 ベトナムと中国の関係とトンキン湾
第2章 交渉当時の国際安全保障環境
第3章 ベトナムと中国の国境・海洋境界画定
第4章 トンキン湾海洋境界画定交渉
第5章 トンキン湾海洋境界画定の政策決定と交渉妥結の要因
終章 トンキン湾海洋境界画定の持つ意義
著者等紹介
内山美生[ウチヤマヨシオ]
1950年生まれ。東京外国語大学卒業。スペイン・マドリッドコンプルテンセ大学、ポルトガル・コインブラ大学、同国ポルト大学留学。拓殖大学博士後期課程修了・博士(国際協力学・安全保障)。国際安全保障学会所属。1974‐2014年外務省勤務(日米安全保障課調査班長、軍縮課核軍縮班長、国際情報局情報分析官、米国・ブラジル・ベトナム・キューバ・ペルーで勤務、在ベトナム大使館参事官、在クリチバ総領事など)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
16
ベトナムと中国の間で2000年に締結されたトンキン湾海洋境界画定条約の交渉を検証。中国にとっては同国史上唯一の外交交渉による海洋紛争解決の例。1973年のベトナムによる交渉提案から、中国は国際的に孤立したり対中脅威論が強まったりした時には妥協的な対外対応をとってきたことが見て取れる。レー・カー・フュー越書記長と江沢民総書記の良好な関係も交渉を加速させる要因だったようだ。条約締結に関する交渉資料が限られる中、ベトナム側の関係者へのインタビューなどは著者の元外務省職員としての人的ネットワークが生かされた模様。2024/04/24