内容説明
本書は、日頃より交流を重ねてきている若い研究者たちと一緒になって作った財政学テキストである。大学で財政学を講義していると、もっと分かりやすいテキストができないものかと常々感じていたので、基礎理論をできるだけ最新の理論までとりいれて平易に説明し、具体的な事例を取り上げて現実の財政のすがたを理解できる本を作ろうということになった。本書の特徴は、租税に3分の2近くを割いていることである。財政の役割が拡がるのにつれて財政学で取り扱う分野が広がり多様性を増してきているが、財政経済の特質が一番はっきり現れているのが租税であるから、意識的にそうした。この学問的理由ばかりではなく、市民生活で租税に対する人々の関心が大きいので、これに答えるという意味も持っている。改訂版では、新たに社会保障の章を設け、幾らか項目を増やした。
目次
財政と財政学
現代社会における財政の機能
公共部門の会計―予算
公共支出のすがた
わが国の税制
租税の基礎理論
ヒト(個人所得)への課税
ヒト(法人所得)への課税
モノ(消費)への課税
カネ(資産)への課税
租税論の新たな展開
各国の税制
公債のしくみと理論
社会保障
著者等紹介
小林威[コバヤシタケシ]
昭和4年(1929年)静岡県静岡市に生まれる。昭和33年(1958年)一橋大学経済学部卒業。昭和35年(1960年)一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。長崎大学経済学部教授、東洋大学経済学部教授を経て、現在、東京国際大学教授
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