内容説明
会計情報の利用者は「一般に認められた会計原則(GAAP)」すなわち、会計基準に準拠して作成された会計情報が有用な会計情報と見做しているため、更にまた、会計監査人及び会計情報の作成者も会計情報が会計基準に準拠して作成されていることを期待しているので、会計情報の質的特性と内容を規制する会計基準が重要課題となってくる。その会計基準の拠り所となるものは「会計概念」である。会計基準は会計概念のフレームワークの中で設定されるべきである。また、その会計概念は「会計前提」から演繹的に導き出される。会計に対する社会的要請を意味している会計前提は会計実務の中から帰納的に導き出されたものである。会計概念は規範的であり、会計基準はかくあるべきであるという拠り所を示したものである。その会計概念の変遷、構成、内容、役割等を論述したものであり、会計情報の特質と内容を規制する会計基準の正当化の基盤を提供する会計概念とはどのようなものなのか、また、どのような役割を果たすべきなのか、会計概念の基底にあるものは何であるのかを論理的に解明しようとしたものが本書である。
目次
第1部 序論(日本の企業会計制度の階層的構造;会計前提;会計概念;会計公準;会計基準)
第2部 本論―会計基準の深層構造(会計基準・会計概念設定機関;営利企業による財務報告の目的概念の形成と展開;会計情報の質的特性概念の形成と展開;営利企業の財務諸表の構成要素概念の形成と展開;非営利組織による財務報告の目的概念の形成と展開 ほか)
第3部 結論(財務会計概念フレームワーク)