出版社内容情報
志を果たして、いつの日にか祖国へ――。
蒋介石・国民党政権によって自由を奪われた故郷・台湾を離れ、
戦後の日本で祖国の自由のために戦い続けた「台湾独立運動の父」の歩みを
実娘が繊細な筆致でつづる。
王育徳が命を削って守り抜いた「台湾人のアイデンティティ」とは、
どのようなものだったのか――。
日本と台湾との深い絆を再確認し、次世代へその志を繋ぐために必読の書!
頼清徳・台湾総統、推薦!
「文学青年から多方面にわたる運動家となった王育徳先生は、日本へ亡命してその地で客死するまで、台湾語の研究、台湾の民主主義と自由の追求、さらには台湾人元日本兵士の補償問題のために奔走し続けました。祖国台湾の幸福のため、命の限り尽力し、全力で貢献し、悔いのない人生を送ったのです。
王育徳先生の台湾に対する深い愛情に対し、私は大きな敬意を抱いてきました。台湾を愛する皆様にも、本書を通して、王育徳先生について、そしてまだ知らない台湾についてより深く知っていただければ幸いです」
【目次】
はじめに
第1章 亡 命
二・二八事件――国民党軍による武力弾圧/台南一中の教師生活/やむをえぬ決断/香港へ脱出/香港で見た「自由」/密輸船で日本へ/下関から神戸へ/偽の外国人登録証
第2章 東京大学再入学と台湾語の研究
東京大学に復学/中河与一の門下生になる/台湾語の研究を志す/不法滞在者としての東京生活/左翼的な雰囲気の東大文学部/自首/邱永漢『密入国者の手記』による誤解/学者としての暮らし/家を売って辞書を出版
第3章 台湾青年社
黄昭堂との再会/廖文毅の台湾共和国臨時政府/一九六〇年二月二十八日、台湾青年社発足/機関誌『台湾青年』の創刊/留学生たちの反応/自宅をアジトに/妻・雪梅の内助の功/四面楚歌の状況/「ここは工場だ。革命製造工場だよ」/史上はじめて二・二八事件を世に問う/李登輝との密会/月刊化と強力な助っ人の出現/資金調達に苦心惨憺/連日連夜の活動/台湾青年社加入者の覚悟/言論活動か実力行使か/新体制に移行/台湾青年会から離れる決心
第4章 言論活動の手応え
『台湾――苦悶するその歴史』の執筆/時代を先取りしたビジョン――論考の紹介/博士論文執筆/大学教師として
第5章 台湾民主化への道のり
組織名の変遷と機関誌『台湾青年』の役割/苦難の時代(一九六四年~一九六八年)/投降――台湾独立運動者たちの挫折/事実と異なる証言について/育徳の組織への復帰/世界的な組織・台湾独立聯盟の発足/カンパ行脚の記録/最大の支援者・遠山景久/国連の「中国」代表権問題/封印された育徳の「国台合作論」
第6章 台湾人元日本兵士の補償請求運動
台湾人元日本兵・中村輝夫の発見/元同胞を切り捨てた日本政府/「一度でいいから日本に行ってみたかった」/「台湾人元日本兵士の補償問題を考える会」発足/「考える会」の活動/国を相手に訴訟に踏み切る/「議員懇談会」の発足と台湾からの圧力/非情の判決を乗り越えて/東京高裁裁判長による異例の「付言」/突然すぎる旅立ち/議員立法成立/「考える会」解散
結び 一寸の虫にも五分の魂
娘としてのあとがき
巻末資料一 台湾語の研究
巻末資料二 台湾青年に告ぐ│発刊の言葉にかえて│
巻末資料三 主張「中国代表権問題について」
王育徳著作一覧
関連年表



