出版社内容情報
粛清と情報統制、個人崇拝で頂点に昇りつめた習近平。
その実像と中国権力構造の内幕を暴いた衝撃の書!
習近平は1953年の北京で特権階級に生まれた。
青年期に文化大革命で下放されるが、その過酷な境遇から這いあがって共産党に入党、
幾多の謀略、粛清、権力闘争を生き抜いて党内の階梯を昇っていく。
福建省、浙江省、上海市のトップを経て、2012年に共産党総書記、
13年に中国国家主席、そして終身統治の地位に。
その権力掌握の過程で「反腐敗闘争」として政治局や人民解放軍の政敵を粛清、
情報統制を強化し、言論の自由を制限する一方、
監視社会を構築、絶対権力の「共産党・中国政府・人民解放軍」の三権を掌握する。
さらに、それまでの集団指導体制から、毛沢東後唯一の独裁体制を確立する。
本書は生誕から現在に至る全過程をたどり、いま強権の頂点にありながら
危うさを抱える「紅い皇帝」の全貌に肉薄する。
現代中国を理解するための必読書!
【目次】
現代中国の基礎ガイド
プロローグ 龍 脈
第一章 一九五三年、北京
共産党幹部の息子として生まれる/毛沢東の社会主義国家建設/粛清して権力を 鍛える毛沢東
第二章 毛沢東に仕えた父・習仲勲
特権階級に属する革命の相続者/毛沢東に死の運命を救われた習仲勲/服従的な 自己卑下によって生き残った周恩来/新疆とチベットで見せた習仲勲の思慮深さ
第三章 文化大革命の嵐
粛清された高崗/習仲勲の失脚/毛沢東に扇動された文化大革命
第四章 下放という試練
下放された習近平の四つの試練/削除された「暗黒の資料」/毛沢東が習仲勲を解放
第五章 復権した「太子党」
社会主義エリート集団の出現/「太子党」と「店主の息子たち」との社会的分断 /耿?の個人秘書という特権的なポスト/中国にとってロシアは永続的な脅威
第六章 『習近平と愛人たち』
伝統的な男性優位の考え方の夫と、自由に憧れる妻/出版が禁じられた『習近平と愛人たち』/『習近平と愛人たち』で明かされる秘話
第七章 史上最年少の省長
正定で地方統治をスタートした習近平/史上最年少の福建省の省長/福建の二つ のスキャンダル
第八章 伝説の歌姫と再婚
伝説の歌姫に一目惚れ/二番目の妻、彭麗媛はリスクではなく資産だった
第九章 天安門事件
胡耀邦追悼から始まった学生たちの反乱/深い傷を残した天安門広場の虐殺/三 代の紅い皇帝に仕えた知恵袋
第十章 権力の座に昇る表舞台へ
ブッシュと鄧小平の結びつき/「一国二制度」は台湾に持ちかける交渉のカード/上海共産党のスキャンダルで、習近平は全国的な舞台に躍り出る
第十一章 習一族の莫大な資産
習一族の一○億ドルを超える資産/一族の不透明な蓄財/習一族の資産隠しを引 き受けた男の末路/利益を貪る最高幹部の家族たち
第十二章 権力への険しい道のり
習の最初の試金石、北京オリンピック/三つの不安―チベット自治区、新疆ウイグル自治区、四川の大地震/監視型社会の創設/後味の悪い明仁天皇との謁見
第十三章 スターリンを手本とする統治システム
「チャイニーズ・ドリーム」/習近平の読書遍歴/スターリンは偉大な手本だった
第十四章 薄熙来との対立
薄熙来と習近平、一族の対立/紅い合唱の響きがこだまする重慶
第十五章 政敵薄熙来の破滅
薄熙来の破滅とイギリス人の謎の死/裁判は完全に創作された舞台演劇/薄熙来 の失墜で最高権力に近づく習近平
第十六章 完全統制
新指導部の顔ぶれ/一網打尽にされたCIAのネットワーク/習近平の完全統制への道
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