出版社内容情報
その翻訳、機械まかせでいいですか?
AI翻訳時代におくる、
翻訳・通訳の本質を学べるいまこそ読むべき一冊!
いまでは機械翻訳が発達し翻訳が身近で手軽になりましたが、歴史を振り返って見ると、
聖書の布教、第二次世界大戦、冷戦、そして『千夜一夜物語』やボルヘスなどの作品翻訳…と、
翻訳・通訳者は数多くの命にかかわるような歴史の重大局面にかかわってきました。
表舞台には出てこないそれらの者たちによる時に自身の命をかけた、涙ぐましいほどの努力、
創意工夫、勇気によって、これまでの平和や文化の発展は支えられてきたのです。
本書から先人の知恵を学び、翻訳の本質を理解しておけば、翻訳に人間が介在する重要性が理解され、
未来の機械翻訳との付き合い方もおのずと分かります。
現役の翻訳者ならではの視点でスリリングに語られる、今こそ読みたい翻訳と通訳の歴史と未来の物語!
■本書のトピック
・フルシチョフが執拗にくり返す「クズマの母親」とは誰なのか?
・雪の降らない土地で、宣教師が聖書の『雪のように白く』を『菌のように白く』と言い換えてもいいのか?
・ヒトラーやムッソリーニなどの独裁者の通訳は一般人のそれと違うものなのか?
・通訳のしかるべきサービス化のための制度が必要なのでは?
「翻訳できない作品は存在しない。存在するのはただ、まだ翻訳者が見つかっていない作品だけだ」
「「世界が深刻な危機に瀕した状況においては、翻訳(通訳)という行為そのものが
激しい文化衝突として歴史の表舞台に立ち現われる。そこでは、訳語の選択一つで歴史の天秤が傾いてしまう」
「翻訳の可能性の広がりを最も顕著に示す例は、意味の多義性から生じる。それは、呪いであると同時に祝福でもある」
(本文より)
内容説明
翻訳・通訳の本質を知らずしてこれからの時代を生き残ることはできない!重大局面における翻訳は、自分の命や世界の命運がかかる、命がけの行為である!世界の歴史を決定づけた数々の名訳・迷訳エピソードを通して翻訳・通訳の本質を学ぶ、この「AI翻訳時代」に必読の書!
目次
翻訳者はロープの上で踊る
世界を揺るがせる―諺の知識が世界を救う
第2章 笑いの効用―通訳にユーモアが必要な理由
追従術―翻訳者の処世術
観測と解析―科学分野の翻訳も楽ではない
英語の宝物―翻訳は言語そのものを豊かにもする
崇高な門―翻訳力が権力を持つとき
不貞―前代未聞の離婚通訳劇
ヒトラーの言葉の正確性―第二次世界大戦の通訳者たち
小物―戦争裁判の被告と通訳者
二人のラストドラゴマン―アラブ世界とヨーロッパのはざまに消えゆく
「私のほうが彼に近しいと思うのだが」―翻訳と翻案のはざまで
ボルヘスの五十パーセント―翻訳者という枠を超えた二人三脚
単語を変えるのはアリか?―聖書という困難な翻訳の対象
ジャーナレーション―ジャーナリズム翻訳に求められるもの
現地人との付き合い方―通訳の不遇さの古今東西
名を正す―危機の時代における通訳者のあり方
権限のある機関の義務―翻訳のサービス化を考える
非論理的要素―機械翻訳と翻訳者の未来
著者等紹介
アスラニアン,アンナ[アスラニアン,アンナ] [Aslanyan,Anna]
ジャーナリスト、翻訳家。『ガーディアン』や『タイムズ文芸付録』などに書籍やアート関連の記事を寄稿している
小川浩一[オガワコウイチ]
1964年京都市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。英語とフランス語の翻訳を児童書から専門書まで幅広く手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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