出版社内容情報
良い季語を思いついたのに、五七五の定型に合わない。
そんなときにとても重宝な俳句歳時記です。
定型を大切にしながら季語を生かす句づくりに必携。
――監修者・岸本尚毅
定型にどう収めるかには音数がまず大事。
いままで多くの人がひそかに悩んでいた音数と季語の問題をはっきりとさせ、
実作に役立つように考案された画期的歳時記。
「蚊」(か、1音)から「童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日」(どうていまりあむげんざいのおんやどりのいわいび、25音)まで、音数ごとに季語をまとめた、これまでにない歳時記。(この長い季語は正木ゆう子「童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝い日と歳時記に」の遊び句に使われている。)
俳句実作(5・7・5に調整)において、音数は決定的に重要です。例えば、紫陽花(4音)はそのままでは下五に使えず、濃紫陽花(こあじさい・5音)で音数を調整する。牡丹(3音)を「ぼうたん」と読ませて「ぼうたん+切字や」で上五に使う。こうした音数調整は、実作では通常作業として俳人に定着しています。あるいは、12音(5・7、7・5)をまず作り、5音の季語をくっつけるといった作業も同様です。そこで、音数ごとに季語がまとまっていれば、きわめて便利な作句ツールとなります。これまで、音数でまとめられた歳時記は管見の範囲で存在しません。なぜなかったといえば、おそらく、そうした「実用」は、文芸=芸術の態度とは相容れないとみなされたからです。しかしながら、俳人のアタマの中では「音数優先」で思考が動くことはきわめて多い。この歳時記は、俳人の「実際」のニーズに応えるものです。
音数ごとに季語を立項し、最低限の解説(解説のない項目もアリ)と最低限の例句を掲載。
【同義】【類義】【関連】の季語も併記(立体的構成)。
例
3音 斑雪(はだれ)
まばらに積もった春雪。
【同義】はだら(3音)、はだれ雪(5音)
【関連】斑雪野(4音)斑雪山(5音)
[刊行形式]
春、夏、秋、冬・新年と4分冊の刊行予定。まずはこの「春」編を刊行。
内容説明
定型にどう収めるかには音数がまず大事。いままで多くの人がひそかに悩んでいた音数と季語の問題をはっきりとさせ、実作に役立つように考案された画期的歳時記。
目次
2音の季語
3音の季語
4音の季語
5音の季語
6音の季語
7音の季語
8音の季語
9音の季語
10音以上の季語
著者等紹介
岸本尚毅[キシモトナオキ]
俳人。1961年岡山県生まれ。岩手日報・山陽新聞選者。俳人協会新人賞、俳人協会評論賞など受賞。2018・2021年度のEテレ「NHK俳句」選者。角川俳句賞等の選考委員をつとめる。公益社団法人俳人協会評議員
西原天気[サイバラテンキ]
1955年生まれ。2007年4月よりウェブサイト「週刊俳句」を共同運営。2010年7月より笠井亞子と『はがきハイク』を不定期刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。