出版社内容情報
中国文化大革命で数十万人に及ぶモンゴル人大粛清が行われた。語ることも禁じられたその実態を、残された膨大な資料を用いて検証。
内容説明
「…二十八種もの刑罰は凄惨すぎて日本語に翻訳するのも躊躇せざるを得ない。何しろ、日本語にはない概念、日本語では置き換えられない暴虐の数々を中国人たちは奔放にモンゴル人に対して行使していたのである。…まさに、モンゴル民族が誕生して以来、初めて舐めさせられた苦難である」(第4章より)本書は約6000頁にのぼる中国政府の公文書と被害者報告書、加害者側と被害者側の記録など、ほとんどが中国では未公開で研究者も閲覧できない資料をもとに、封印された殺戮の全貌を検証した決定版である。
目次
第4章 倒されていくエリートたち(生き残った人たちの回想;中国政府の公文書が伝える大量虐殺の推進方法;被害者側と加害者側の記録;公文書が語るあるモンゴル人将校の殺害 ほか)
第5章 ジェノサイドのコミューン(中国政府の公的な資料が伝える大量虐殺;大量虐殺の部分的停止と謀略的処理;自治区における政策の制定と伝達;四家尭人民公社の被害状況 ほか)
終章 モンゴル人学生運動と「地方民族主義者」が語る中国文化大革命(大量虐殺の後史としての学生運動;近代史の曙は東から)
著者等紹介
楊海英[ヨウカイエイ]
モンゴル名オーノス・チョクト。1964年、内モンゴル自治区(南モンゴル)オルドス生まれ。北京第二外語学院大学日本語学科卒。1989年来日。別府大学、国立民族学博物館・総合研究大学院大学で文化人類学を専攻、中京女子大学助教授を経て、静岡大学教授。2000年に日本へ帰化、日本名は大野旭(おおの・あきら)。2010年『墓標なき草原―内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(岩波書店)で第14回司馬遼太郎賞受賞。2018年には第19回正論新風賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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