出版社内容情報
世界最高峰のヒマラヤ山系に発する幾多の大河が流れるアジア。
その「水」の恩恵と災厄との格闘がそのままアジアの歴史でもある。
水の確保が人間の生活を支え、文明のかたちを定めてきた。
アジアが現在、世界人口の過半数を擁するのは、自然増加ではなく
綿々と続く水との格闘の成果でもある。
だが、近代以降の水利技術の発達、それによる政治社会システムの変化が
人口膨張、都市化の拡大、急激な経済開発を産み、その果てに水資源の枯渇や
水質の広範な汚染が引き起こされ、それが新たな地域格差と紛争を生み出している。
本書は近現代200年にわたるアジアについて、植民地帝国、資本主義、
独立革命といった従来の歴史視点に「水」という新しい次元を加えることで、
まったく新しい姿を描き出すものである。
気候変動によってさらなる水資源の枯渇と争奪、地政学的な変化が広がりつつある現在、
人間と水を考えるうえできわめて示唆に富んだ書である。
内容説明
水が人びとの暮らしを支え文明のかたちを定め、水をめぐって格差が生まれ闘争が生まれる。アジアの近現代を「水」という次元から検証する。
目次
第1章 アジアのいまを作ってきたもの
第2章 水と帝国
第3章 干上がった大地
第4章 水をはらんだ大気
第5章 水との格闘
第6章 水と自由
第7章 ダムと放水路
第8章 海洋と地下
第9章 荒れくるう地平線
終章 水辺の歴史と記憶
著者等紹介
アムリス,スニール[アムリス,スニール] [Amrith,Sunil]
イェール大学教授。歴史学者。専門は南アジア史。インド人の両親のもとケニアのナイロビで誕生、その後シンガポールに移り住む。成長期をシンガポールで過ごしたことでアジアの海洋都市や民族、文化に関心を抱くようになる。ケンブリッジ大学卒業後、トリニティーカレッジの主任研究員に。その後、ロンドン大学バークベック・カレッジ教授、ハーバード大学教授を経て2020年から現職。2016年、移民史、環境史、国際公衆衛生史への貢献でインフォシス賞を受賞
秋山勝[アキヤママサル]
立教大学卒。出版社勤務を経て翻訳の仕事に。日本文藝家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
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