前‐哲学的―初期論文集

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前‐哲学的―初期論文集

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  • サイズ 46判/ページ数 304p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784794224781
  • NDC分類 950.4
  • Cコード C0095

出版社内容情報

思想家・内田樹が駆け出しのフランス文学者時代に執筆した、フランス文学・哲学関連の論文を集成。偏愛するレヴィナス、ブランショ、カミュ(『異邦人』『ペスト』『カリギュラ』『シシュポスの神話』)を題材に、緊張感溢れる文章で綴った七篇の論考。「なぜ人を殺してはいけないのか」「いかにして成熟するか」――。著者の原点である倫理的なテーマに真摯に向き合う。

【「まえがき」より】
 本書は僕が若い頃に書いたフランス文学、哲学についての論文を集めたものです。副題に「初期論文集」とありますように、多くはフランス文学者として駆け出しの80年代から90年代にかけて書かれたものです。(……)ふだん僕が書いているものと比べると、微妙に「よそよそしい」です。
 でも、こういうふうにある種の「定型のしばり」がある方が文章には独特の緊張感が出てきます。本当は「変な話」を書きたいのだけれど、それを学術的定型の中に収めて、合法的に表現しなければならない。そういう葛藤が独特の「味わい」を出しているように思います。時間が経って読み返すと、やはり「定型的な書き方に表面的には従属しながら、ひそかにゲリラ戦を展開している」という不心得なタイプの書き物の方が面白い。「不心得」であるときに「水を得た魚のようになる」というのがどうも僕の変わることのない本性のようです。
 それからタイトルについて一言。
「前?哲学的」(pre-philosophique)というのはエマニュエル・レヴィナスの言葉です。本書に収録された「声と光」という論文の中に出てきます。「哲学的な思惟はすべて前?哲学的な経験をその根拠とする」というレヴィナスのフレーズをその論文の中で僕は引用しています。
 ここに収録された論文はいずれも「哲学的思惟」について論じたものではありませんし、何らかの「哲学的思惟」を文字化したものではありません。そうではなくて、いずれも「哲学的思惟」が形成される手前の、僕自身のリアルな「前?哲学的経験」について語っています。「前?哲学的経験」とは、僕の個人的なとまどいや、ためらいや、あるいは感動や開放感のような身体的な経験のことです。それ自体はまだ明確なアイディアとしてはかたちをなしてはいません。でも、「哲学的思惟」の名に値するものは、この名状しがたい、未定型な泡のような思念の運動からしか出てこない。僕はそう考えています。では、どうぞお読みください。面白く読んで頂けるといいんですけど。

【目次】
まえがき
20世紀の倫理――ニーチェ、オルテガ、カミュ
アルジェリアの影――アルベール・カミュと歴史
「意味しないもの」としての〈母〉――アルベール・カミュと性差
鏡像破壊――『カリギュラ』のラカン的読解
アルベール・カミュと演劇
声と光――レヴィナス『フッサール現象学における直観の理論』の読解
面従腹背のテロリズム――『文学はいかにして可能か』のもう一つの読解可能性
解題

内容説明

思想家・内田樹が駆け出しのフランス文学者時代に執筆した、フランス文学・哲学関連の論文を集成。偏愛するレヴィナス、ブランショ、カミュを題材に、緊張感溢れる文章で綴った七篇の論考。「なぜ人を殺してはいけないのか」「いかにして成熟するか」―。著者の原点である倫理的なテーマに真摯に向き合う。

目次

20世紀の倫理―ニーチェ、オルテガ、カミュ
アルジェリアの影―アルベール・カミュと歴史
「意味しないもの」としての“母”―アルベール・カミュと性差
鏡像破壊―『カリギュラ』のラカン的読解
アルベール・カミュと演劇
声と光―レヴィナス『フッサール現象学における直観の理論』の読解
面従腹背のテロリズム―『文学はいかにして可能か』のもう一つの読解可能性

著者等紹介

内田樹[ウチダタツル]
1950年、東京都生まれ。思想家、武道家。神戸女学院大学名誉教授、凱風館館長。東京大学文学部仏文科卒業、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。著書に『私家版・ユダヤ文化論』(小林秀雄賞)、『日本辺境論』(新書大賞)など多数。伊丹十三賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

原玉幸子

13
流行内田樹の若かりし頃の論考集。「(全哲学者鉄板の)やはりどこでも」のニーチェから、『大衆の反逆』のオルテガを経て、サルトルとの確執も交えたカミュにハイライトを当てる、其々まぁ解らなくもないですし哲学領域の教養を補足してくれますが、正直、今有難がって読む迄もなかった(その時の気分で評価が変わる!)本でした。でもまぁ、本書を読んだことで、本棚の奥のツンドク、カミュ『シーシュポスの神話』を引っ張り出して来ましたので、それはそれで良かったのかも。(良い出逢いであることを祈ります。)(●2021年・春)2021/02/05

tokko

13
「20世紀の倫理」論は思想史の流れをたいへん掴みやすかったです。特に最近アルベール・カミュの作品を読んだばかりだったので、カミュ論も含めて参考になりました。ただ内田先生の想定読者が(おそらく)専門家なので、門外漢の僕にとっては難しかったです。2021/01/24

元よしだ

9
読了~~ やはり「ブランショ」と「カミュ」にぐっときましたが やはりなんてったって【レヴィナス・フッサール…読解】!! 内田さんの解説でわかったような気にさせてくれます~~ 以下引用 リトアニアのユダヤ教は神秘主義的なユダヤ教ではない。反対に神秘的なものの侵入を絶えず警戒している知性であり、タルムードを軸とし、またタルムードの内部で展開する注釈を通して、ラビ的思考の弁証法に結びついている。 2021/09/14

Asakura Arata

5
1文目は学生さんの講義内容がベースになっているので、わかりやすいが、他の論文はマニアック。専門用語が註釈なく出てきたりして読みにくい。とはいえ、現在の内田先生の基本姿勢のルーツが窺われ、楽しい。2023/11/06

岡本 正行

2
私には難しかった。一般向けの本ではないことは著者も書いているとおりである。フランスの文学、思想や哲学に最低限の知識や理解がなければ、全貌はとても理解できない。カミュやニーチェといった西洋哲学、とても難しい。難しいといって、避けてとおりたくないが、私には、猫に小判という類で、こういう世界もあるという読後感。身に沁みて、ためになった本ではない。偶々、図書館で借りた本、あとからすぐに予約が入って、返却期限が延ばせない事情があった。この本のなかに出てくる思想家を理解したうえで、などは無理。それでも参考にはなった。2021/02/05

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