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草思社文庫
毛沢東の大飢饉―史上最も悲惨で破壊的な人災 1958‐1962

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  • サイズ 文庫判/ページ数 652p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784794223753
  • NDC分類 611.39
  • Cコード C0136

出版社内容情報

毛沢東のユートピア構想は未曾有の大飢饉を発生させ、4500万人の死者を出した。中国共産党最大のタブー、「大躍進」運動の全体像を党の

内容説明

「15年以内にイギリスを追い越す」と宣言した毛沢東が1958年に発動した大躍進政策は、人肉食すら発生した人類史上まれに見る大飢饉と、産業・インフラ・環境の大破壊をもたらした。香港大学人文学教授が中国各地の公文書館を精査。同館所蔵の未公開資料と体験者の証言から「大躍進」期の死者数は4500万人、大半が餓死者で、拷問死が250万人にのぼると算出され、その最大の犠牲者は農民であった。中国共産党最大のタブーの全貌を明らかにし、党支配の正統性を揺るがした衝撃の書!2011年サミュエル・ジョンソン賞受賞作。

目次

はじめに―「四千五百万の死」が意味するもの
第1部 ユートピアを追い求めて
第2部 死の谷を歩む
第3部 破壊
第4部 生き残るために
第5部 弱者たち
第6部 様々な死
終章 文化大革命への序奏

著者等紹介

ディケーター,フランク[ディケーター,フランク] [Dik¨otter,Frank]
ロンドン大学東洋・アフリカ研究学院教授、香港大学人文学院講座教授。香港在住。1961年、オランダ生まれ。ジュネーブ大学で歴史及びロシア語を専攻。中国に2年間滞在したのち、ロンドン大学東洋・アフリカ研究学院で博士号取得。『MAO’S GREAT FAMINE:The history of China’s Most Devastating Catastrophe,(毛沢東の大飢饉:史上最も悲惨で破壊的な人災)1958‐1962』とそれに続く『The Tragedy of Liberation:A History of the Chinese Revolution(解放の悲劇:中国革命の歴史)1945‐1957』、『The Cultural Revolution:A People’s History(文化大革命:人民史)1962‐1976』で民族三部作となっている。『MAO’S GREAT FAMINE:The history of China’s Most Devastating Catastrophe,(毛沢東の大飢饉:史上最も悲惨で破壊的な人災)1958‐1962』は2011年、ノンフィクション分野の本に与えられる英国で最も権威のあるSamuel Johnson賞を受賞した

中川治子[ナカガワハルコ]
1956年生まれ。翻訳家。武蔵大学人文学部日本文化学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ステビア

22
愚かな政策がいかに社会と経済を荒廃させ、人を殺すのかがよくわかる。全人類必読の書2021/06/02

masabi

9
【概要】大躍進政策がいかに未曾有の人災になったかを公文書を通して追う。【感想】鉄鋼生産量で中国は15年でイギリスを追い越すという目標が掲げられ大躍進政策が始まったが、その成果は総死者4500万人という惨憺たるものだった。達成不可能なノルマが課して惨劇には目を瞑り、上に向けた虚偽の報告、末端に対する搾取が国家ぐるみが起きた。毛沢東を止められる人物が皆無なので、大量餓死に誤魔化しが効かなくなって彼の人の責任を問わない形でようやく政策が止められる。この政策の失敗が文化大革命に繋がり、さらなる暴力の嵐を呼ぶ。2022/03/09

アメヲトコ

7
世界史上最も多くの人間を死に追いやった政治家である毛沢東、その彼がもたらした最悪の地獄である大躍進の実像に迫った一冊。本書の特長は、聞き取りによるのではなく、地域の檔案館を丹念にアクセスした史料にもとづいて構成している点で、そこから明らかになるあまりの現実に、読んでいて気分が悪くなります。本書が出たのは2010年、胡錦濤時代に少し檔案館の厚い扉が開きかけていたときの産物と言えますが、そこから再び時代が逆戻りしていっているような現在、強制収容と暴力というのは未だ過去の話ではありません。2021/02/28

リョウ

6
先後の中国は大躍進、文化大革命と正気を疑うような社会実験をやって国を衰退させてきたが、いずれも毛沢東という人物に強力な権力が集中し、それに反対する意見を言えば社会的地位を奪われるということで、明らかな失敗が見えているにもかかわらず、その方向を修正しないことで、状況がますます悪化してしまっている。訳書にありがちなのだが、どうしても詳細な事実を語ろうとするばかりに、事実の羅列に陥り、木を見て森が見えてこない。そもそも想定している読み方が異なるのか。2020/07/05

てっちゃん

3
大躍進の犠牲者が4500万人というのには、驚いた。まさにディストピアだ。独裁者の存在、過剰な忖度をする小役人、目的のためには手段を選ばないといったことは、とても他人事とは思えない。2019/03/30

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