草思社文庫
説得―エホバの証人と輸血拒否事件

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  • サイズ 文庫判/ページ数 414p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784794222060
  • NDC分類 916
  • Cコード C0136

出版社内容情報

小学生の交通事故で信仰に忠実な両親が子どもへの輸血を拒否し子どもが死亡する衝撃的な事件が起きた。この衝撃の事件の全貌を追う。1985年、川崎市高津区。小学生の男の子の交通事故で信仰に忠実な両親が子どもへの輸血を拒否し子どもが死亡してしまう衝撃的な事件が起きた。関係者への詳細な取材でこの事件の全貌を追ったノンフィクション。第11回講談社ノンフィクション賞受賞作。

大泉実成[オオイズミミツナリ]
ノンフィクション作家。1961年、東京生まれ。中央大学文学部哲学科、同大学大学院文学研究科修了。『夢を操る』(講談社文庫)『消えたマンガ家』(太田出版/新潮OH!文庫)『麻原彰晃を信じる人びと』(洋泉社)『人格障害をめぐる冒険』(草思社)『萌えの研究』(講談社)ほか、漫画家水木しげる氏との共著も多数。編著に『本日の水木サン』(草思社)などがある。本書の単行本(現代書館刊)で1989年講談社ノンフィクション賞を受賞。

内容説明

1985年、10歳の少年が交通事故で瀕死の重傷を負った。駆けつけた両親は息子への輸血を拒否する。信仰する宗教が輸血を禁じていたからだ。輸血しなければ少年は死ぬ。それでも両親は輸血を拒否しつづけた。なぜなのか―。自身が幼少期にエホバの証人だった著者が、多くの関係者に取材して事件の真相に迫っていく。死の間際に少年がもらしたという「生きたい」という言葉の意味とは。宗教とは何か、生きるとは何か、という問いに真正面から向き合った力作。第11回講談社ノンフィクション賞受賞作。

目次

プロローグ こやた荘―愛と麻雀の日々
入院
奇遇
研究生
人々



医師


説得

著者等紹介

大泉実成[オオイズミミツナリ]
1961年東京生まれ。ノンフィクション作家。中央大学大学院哲学科修了。デビュー作である『説得―エホバの証人と輸血拒否事件』で第11回講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ひと

12
凄かった。当時のことはうろ覚えだけど、今の生活圏の中でこんなドラマがあったとは…。当時は自分も小学生で、今は当に親の年代で不思議な感覚で読み進めました。個人的には、輸血して欲しかったですが、輸血することが正しく、拒否するのは悪であると言い切ることはできないなと思いました。制限のある現世の限界を感じます。我々は自ら選ぶしかないのでしょう。頭では理解しながら飛び込めずにいたタイミングでの事故に、何か見えない力のようなものも感じます。あの家族が、胸の奥に何かを抱えながらも信仰の中で幸せに過ごしたことを祈ります。2017/06/06

ウェイランド

10
エホバの証人輸血拒否事件。実際にエホバの証人で共に活動し、事件の関係者一人ひとりに取材した労作。デビュー作だけあって文章の青臭さはあるけど、それと生命と信仰という難題に向き合う姿とがマッチしててすげー面白かった!2016/07/05

芋煮うどん

8
1988年の著作。信仰とは、親子とは一体なんなのか。答えは出ずじまいだが、著者の真剣さに好感を覚えた。 ただ、この手法、いまならNGだよな。だって許諾なしなんだから。2016/06/22

Gaooo

7
記憶に残っていたこの事件。当時感じた狂信への恐怖。しかし、団体に入りこんで一緒に活動した著者が見た信者たちは、狂気とはかけ離れていた。だからこそなお、失われた命がやるせない。何かを信じることは弱さではなく、強さなのだろうけど。難しいテーマだった2018/12/13

takuya

6
「エホバの証人」「輸血拒否」にピンときて手に取ったが、こんな事件があったのか。事件そのものに加えて、潜入取材(?)から見えてきた信者の姿からも衝撃を受けた。医師たちのように、自らの信仰の有無に関係なく現実と信仰のきわどい場面に立たされるかもしれない。信仰というものの見方が変わった。2016/07/11

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