江戸前魚食大全―日本人がとてつもなくうまい魚料理にたどりつくまで

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江戸前魚食大全―日本人がとてつもなくうまい魚料理にたどりつくまで

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  • サイズ B6判/ページ数 365p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784794222015
  • NDC分類 383.8
  • Cコード C0095

出版社内容情報

握りずし、うなぎ、つくだ煮、てんぷら、浅草海苔。日本が世界に誇る「江戸前の魚食文化」のすべてがこの一冊でわかる。日本人は江戸時代になるまで思うように魚を食べられなかった。不安定な漁獲、保存と輸送の難しさから滅多に食べられなかった魚。食べられないからこそ何としてもうまく食べたい、その執念が知恵を絞り、工夫を重ねて、江戸前魚食文化に結実したのである。
本書は日本人なら知っておきたい江戸前魚食のルーツと完成にいたるまでの全歴史をあますところなく紹介する。


まえがき

第一章 なぜ江戸だったのか?
江戸前とは何か
江戸前の海はどこか
江戸前の魚は格別の味
江戸前はウナギのこと
江戸っ子のメンタリティ
自然と人のつくった漁場
日本一豊かな漁場
人の手で魚が増える
江戸前漁場の資源保護
江戸の生活からうまれた魚食
三日魚を食わねば、骨はバラバラに
町人たちの魚食
米と火事と独身者

第二章 江戸の始まりから魚河岸ができるまで
江戸の都市づくりと水運の改変
家康入国をめぐって
小名木川開削と日比谷入江埋め立て
江戸の在来漁民
利根川の東遷工事
鮮魚のきた道
関西漁業の進出
漁民たちの軍功
佃島と白魚漁
続々と漁業者きたる
房州イワシ大漁節
他国出漁者の末路
魚河岸の誕生
魚河岸起立の頃
魚河岸繁栄の立役者
四組問屋の設立

第三章 海に生きた人々――漁業はいつどのように始まったのか
水産業のルーツ
海を渡ってきた海人族
海人の広がり
航海とリスク
古代・中世の流通ネットワーク
ヤマト王権の海部として
蹂躙される海民
市場流通の始まり
職能的海民の活躍
海の上のしきたり
戦う海民
海の領主
寄り物
解体する海民社会

第四章 江戸前漁業のシステム――漁村と漁法と流通
江戸時代に漁村がうまれる
漁村の始まり
半農半漁
漁民の階層化
江戸沿岸の漁村
江戸沿岸の浦
? 芝・金杉浦
? 品川浦
? 大井御林浦
? 羽田浦
? 佃島
? 深川浦
? 武相一七ヶ浦と新肴場
江戸近辺の磯付村
? 大森村
? 南小田原町
? 葛西村
江戸前の漁法
三八職と小職
江戸時代の網漁
? 曳網
? 旋網漁
釣りによる漁法
刺突漁
採取による漁業
江戸の鮮魚流通
職貸と職網
海の渡世人
魚河岸支配の終焉

第五章 賑わう江戸の魚河岸――江戸っ子のルーツを探る
日に千両の商い
魚河岸のある朝
? 魚の荷が届く
? 問屋と仲買
? 板舟
? 買出人
? 売買のやりとり
? せり
? 魚の値段の決め方
? 附属業務
魚河岸の一年
? 正月
? 春
? 夏
? 秋
? 冬
幕府御用達の明暗
納魚の名誉と負担
覇権をめぐる争い
お魚、御用だ
江戸っ子の見本
魚河岸風俗
助六と魚河岸
江戸っ子にふたつある
魚河岸喧嘩仕法
建継騒動顛末
江戸防衛軍

第六章 日本人と魚食、知られざる歴史
日本人はなぜ魚を食べてきたのか
サカナのなかの魚
食の禁忌
風土に育まれる食
「食べられない」からうまれた食文化
多様な日本の魚食
魚なんて食べられなかった
知恵と工夫がうんだ水産物
江戸の魚食、現代の魚食
魚とつきあう
上魚・中魚・下魚
江戸前の新鮮

第七章 関東風の味覚はどうつくられたか――魚が劇的にうまくなった理由
江戸の味覚
西と東の味覚のちがい
最初は粗末な江戸の食
江戸の味覚をつくった調味料
旬と初物
旬の魚
江戸の初物食い
初鰹騒ぎ
外食文化の発展
外食の始まり
江戸の食べ物屋
グルメの発生

第八章 江戸前料理の完成
浅草海苔─真の江戸前─
浅草海苔の由来
ひび建て養殖法
養殖技術が各地に伝わる
佃煮─漁師のつくった保存食─
漁民の副食物
漁民食から江戸名産へ
元祖と本家が仲良く並ぶ
鰻─外食文化のルーツ─
「江戸前」は上方に始まる
鰻屋の風格
外食文化事始め
天ぷら─南蛮渡来の江戸前料理─
天竺からふらりと
天ぷらの起源
家康の命を奪う
江戸前の天ぷら
洒落から出た御座敷天ぷら
すし─伝統食のコペルニクス的転回─
日本最古のすし
すしの始め
早ずしの登場
手品のすし
江戸前ずしの食べ方

第九章 楽しみと畏怖、江戸人の水辺空間
水辺に遊ぶ
釣り
潮干狩り
舟遊び
遭難する江戸っ子
異界の水際
たぶらかされて
すっぽんと鰻
水辺の信仰
放生会
江戸前の祭礼
船下ろし

第一〇章 江戸から東京へ、江戸前の終焉
海からやってきたえびす
クジラとえびす
鯨組──近世最大の漁業システム
失われたえびす
去りゆく江戸前
お台場建設
悲痛の江戸前漁業
品川浦漁師女房の門訴事件
江戸前漁業の終焉
明治維新の漁業混乱
江戸前を救ったノリ養殖
京浜運河計画
漁業権全面放棄
江戸前の未来

付録 魚河岸の魚図鑑

あとがき
参考文献/写真資料所蔵・提供一覧/索引




冨岡一成[トミオカカズナリ]
1962年東京に生まれる。博物館の展示や企画の仕事を経て、1991年より15年間、築地市場に勤務。「河岸の気風」に惹かれ、聞き取り調査を始める。このときの人との出会いからフィールドワークの醍醐味を知る。仕事の傍ら魚食普及を目的にイベント企画や執筆などを積極的におこなう。実は子どもの頃から生魚が苦手なのに河岸に入ってしまい、少し後悔したが、その後魚好きになったときには辞めていたので、さらに後悔した。江戸の歴史や魚の文化史的な著述が多い。

内容説明

「食べたいのに食べられない」からうまれた、江戸前の魚食文化!日本人は江戸時代になるまで思うように魚を食べられなかった。不安定な漁獲、保存と輸送の難しさから滅多に食べられなかった魚。食べられないからこそ何としてもうまく食べたい、その執念が知恵を絞り、工夫を重ねて、江戸前魚食文化に結実したのである。本書は日本人なら知っておきたい江戸前魚食のルーツと完成にいたるまでの全歴史をあますところなく紹介する。

目次

第1章 なぜ江戸だったのか?
第2章 江戸の始まりから魚河岸ができるまで
第3章 海に生きた人々―漁業はいつどのように始まったのか
第4章 江戸前漁業のシステム―漁村の漁法と流通
第5章 賑わう江戸の魚河岸―江戸っ子のルーツを探る
第6章 日本人と魚食、知られざる歴史
第7章 関東風の味覚はどうつくられたか―魚が劇的にうまくなった理由
第8章 江戸前料理の完成
第9章 楽しみと畏怖、江戸人の水辺空間
第10章 江戸から東京へ、江戸前の終焉
付録 魚河岸の魚図鑑

著者等紹介

冨岡一成[トミオカカズナリ]
1962年東京に生まれる。博物館の展示や企画の仕事を経て、1991年より15年間、築地市場に勤務。「河岸の気風」に惹かれ、聞き取り調査を始める。仕事の傍ら魚食普及を目的にイベント企画や執筆などを積極的におこなう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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るるぴん

4
江戸での魚食の食文化を丁寧に追った本。江戸の都市づくりで人口集中、専売人、魚河岸誕生、幕府への納魚、外食の発展と保存食の知恵と工夫。町文化の発展に伴い、江戸前寿司や料理といったグルメ食の基礎となったことなど網羅されている。丁寧さ読むと読み応えあるのだが、飛ばし飛ばしで拾い読み。時間がある時に、気になる箇所ごとにゆっくり目を通したい本。江戸時代、街歩きしたら喧嘩もあちこちで見世物的にやってたりして活気があって楽しそうだなぁ。魚を内蔵まで無駄なく食べる工夫とかザ.日本!を再確認。2023/06/20

Hirotaka Negishi

4
分野は違えど、よく書けている本はいつ読んでも感銘を受ける。 事実の再構成、様々な歴史の観察等を基礎に、著者の興味と知識が触媒となって、江戸前の魚とそれを取り巻く漁民の生活を活写する。テーマそのものも面白かったが、本の構成が良くできていて参考になった。草思社というのは、テーマ、本の構成がすごく上手な会社と感じる。 あ、本の感想でなくなってしまった。2017/01/29

かんな

4
読んだ勢いで寿司屋に( ̄▽ ̄)行ったつもりでサバ缶開ける。2017/01/19

圓子

3
ところどころの「日本すげえ!」がちょっと疲れる。こうなるともう歴史的考察は眉唾ものとして読んでしまう。日本といっても関東のといっても江戸近郊のことなんですね。タイトルに偽りはないか。猫マタギなんて言葉があるが、脂が早くにダメになるからなんですね。巻末の魚図鑑は愉快。「蛸は畑に入って芋を食う」なんて、どうしてそんな話になったのか。2018/04/21

Humbaba

3
日本人は魚をあますところなく全て食べつくす技術を持っている。それは、昔の日本人にとって魚というものがとても貴重なものであったことを示す証拠でもあるといえるだろう。全てを食べ尽くすのは環境がそれをさせたとも言えるが、そのことは決して不幸なことではなかった。2016/07/18

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