出版社内容情報
2013 年に日本および海外の6 つの国(アメリカ、イギリス、スウェーデン、
フランス、ドイツ、韓国)で実施された若者の意識調査(内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」)に基づき、浮かびあがってきた、突出して低い日本の若者の希望度。なぜ日本の若者が未来に希望を持てないのか、経済状況、家庭環境、人間関係、教育状況、仕事状況等々のさまざまな角度からその原因に迫る。日本の未来を考える上での必読書。
■ お金に対する不安が異常に強い日本の若者
■ 友達は多いのに、安心感を持てない日本の若者
■ 学歴は無いよりはあったほうがマシ!?
■ なぜ日本は失業ダメージが一番高いのか
■ 愛国心はTOP、でも国際交流しない日本の若者
【著者紹介】
明治大学国際日本学部教授。1992 年東京大学法学部卒業、株式会社富士総合研究所で官公庁の受託調査に従事。1995 年に英国に渡りロンドン大学政治経済学部(LSE) でヨーロッパ政治研究の修士を得た後、英国ウォーリック大学で日英の経済政策を研究し、2000 年に博士号(PhD) 取得。1997 年から10 年間スウェーデンのストックホルム商科大学欧州日本研究所に勤務し、日本の政治経済に関する研究・講義を担当。現在は日本社会のさまざまな制度と、その集合体であるシステムについて、諸外国と比較しつつ、また国民性の違いを勘案しながら論じている。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデミン@もも
35
何か中途半端な分析。まとめによると私のような統計学がわからない素人にも分かりやすいようにとの考え方らしい。何度か登場してくる古市憲寿さんの『絶望の国の幸福な若者たち』の方が文学的に読めてわかりやすかったかな。ゆとり教育が充実していた最中に育った我が子達。小学校の教科書を初めて見た時は唖然としたが、実際の学校生活は子ども達にとって過ごしやすいものだったと思う。ならなぜ満足感が少ないのか。それはこの本を読んでもわからない。2016/04/15
たか
6
日本の現在の相対的貧困率は約16%。今後ますます、格差が広がることが想定されるなか、年金、社会保障制度に稀代を持てずに、将来を悲観する若者は増えるであろう・・・。2016/04/28
Humbaba
6
例え同じような状況だったとしても、人によって感じ方は変わってくる。どうせなら幸福を見いだせるようになればよいが、周囲の人間の状況によっても感じ方が変わるのは避けられない。周囲の空気を読むことは決して悪いことではないが、それに引きずられてしまうのはプラスにならないだろう。2016/01/13
くらーく
5
タイトルが疑問形の本で、はっきりと解答を書いた本って無いのよねえ。希望を持つ持たないは、最終的には本人次第じゃないの?貧乏で悲惨な環境にいた人が、それをバネに希望をもって大企業を作った人もいるし。 解決策のひとつとして、国際交流をあげている(P.171)が、それもありね。少し外を知ると変わる事はあると思うよ。自分もそうだったわ。個人的には、親戚関係でおじおばいとこらとの交流も、自分の場合は有効だったと思うわ。ロールモデルになったなあ(反面教師だけど)。 理由なく希望を持って良いのだよ、若者には言いたいね。2023/12/16
これっと
3
世界7カ国の若者を対象に行われたアンケートを分析して、日本に漂う悲壮感を解き明かそうとしたもの。調査の結果やそれに関する著者のコメントは興味深いものも多かったのですが、贅沢を言えばタイトルに掲げられている問題意識の核心に迫る提言や深い考察が欲しかったところ。2016/11/26