出版社内容情報
脳科学を進展させる方法として提案されている全脳のネットワーク地図=コネクトームの解読。脳科学に革命を起こす壮大な試みを解説。
記憶はどう蓄えられているか。心の病気や障害はなぜ起こるか。「私」の心はどのように形作られているのか――。現在の脳科学は、このような素朴な疑問にほとんど何も答えることができない。その主な原因は、脳神経の全ネットワークの地図が作成されていないことにある。全遺伝情報=ゲノムの解読が生物学に革命を起こしつつあるように、脳科学を進展させる確実な方法として提案されている全脳のネットワーク地図=コネクトームの解読。脳科学に革命を起こす壮大な試みを解説する、初めての本。
・ 脳の大きさと知能の統計学
・ なぜ現在の粗い「脳地図」では不十分なのか
・ 脳を薄く輪切りにして電子顕微鏡でスキャン
・ 脳の「再接続」「再生」「再荷重」「再配線」
・ コネクトームから記憶を解読できるか
・ コネクトームを解読すれば心をシミュレートできるか
【著者紹介】
プリンストン大学計算機科学部およびニューロサイエンス研究所教授。ハワード・ヒューズ医学研究所にも所属している。ハーバード大学で博士号取得したのち、バイオインフォマティクスと神経科学を軸とした学際的な研究を行ってきた。コネクトーム研究の第一人者。
内容説明
脳の全神経細胞のネットワーク地図を作成する―。わたしの心はなぜ他人と違うか、記憶はどう蓄えられるか、心の病はなぜ起こるか―。すべての答えはコネクトームの中にある。脳科学に革命を起こす試みの意義と方法を、第一人者が鮮やかに描き出す。
目次
第1部 脳は大きい方がいい?(天才と狂気の原因を探す;脳の地図を作る)
第2部 コネクショニズム(なぜニューロン同士はつながるか;ニューロンはどうつながっているか;記憶はいかに貯蔵されるか)
第3部 脳を決定づけるのは遺伝か環境か(脳はどのように育つか;脳はどこまで変われるか)
第4部 コネクトミクス(脳細胞を撮影する方法;脳の配線をたどる;脳を切り分ける;コネクトームから記憶を解読する;複数のコネクトームを比較する;脳を治す)
第5部 人間の限界は超越できるか(保存した死体から復活?;シミュレーションとして生きる?)
著者等紹介
スン,セバスチャン[スン,セバスチャン] [Seung,Sebastian]
プリンストン大学計算機科学部およびニューロサイエンス研究所教授。ハワードヒューズ医学研究所の研究者を兼任。ハーバード大学で物質構造の数理物理学的研究により博士号を取得したのち、バイオインフォマティクスと神経科学を軸とする分野縦断的研究を行ってきた
青木薫[アオキカオル]
翻訳家。理学博士。ポピュラーサイエンスの訳書多数。2007年度日本数学会出版賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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