出版社内容情報
太平洋戦争の直前、中島飛行機の天才的設計者中川良一は世界トップクラスのエンジンの試作に成功。海軍はどよめき立ち、実用化を試みるがトラブルが続出する。その原因とは何だったのか。当時の史料、当事者への取材など徹底追及した労作。
【著者紹介】
ノンフィクション作家。一九四六年生まれ。石川島播磨重工の航空宇宙事業本部技術開発事業部でジェットエンジンの設計に二十年従事。一九八八年、同社を退社。日本の近現代の産業史の執筆に取り組む。主な著書に『弾丸列車』(実業之日本社)『マン・マシンの昭和伝説』上・下(講談社文庫)『戦艦大和誕生』(講談社+α文庫)『世界制覇』上・下(講談社刊)『日本のピアノ100年』(岩野裕一氏との共著、草思社刊〕『日本はなぜ旅客機をつくれないのか』(草思社刊)『技術者たちの敗戦』(単行本・文庫とも草思社刊)『満州航空の全貌』(草思社刊)などがある。
内容説明
日米開戦の半年前、中島飛行機の若き天才設計者・中川良一は、野心的な高性能の次世代エンジン「誉」を完成させる。小型軽量ながら当時の世界最高水準を実現したまさに奇跡のエンジンであり、彩雲、疾風、紫電改などの新鋭機に次々と搭載されていく。だが想定されたハイオクタン燃料が入手できず、原材料の質低下、熟練工の軍隊召集、陸海軍の不手際などによりトラブルが続き、その真価を発揮できることなく敗戦を迎えた。本書は「誉」の悲劇を克明に追い、現代に連なる日本の技術開発や組織運営が抱える矛盾と問題点を浮き彫りにする。
目次
プロローグ 博物館の鉄の塊
第1章 奇跡のエンジン「誉」
第2章 中島知久平の旗揚げ
第3章 試作から量産へ
第4章 「誉」エンジンの検証
第5章 欧米メーカーの開発体制
第6章 シリンダーとピストン、冷却の盲点
第7章 航空技術廠内の「誉」批判
第8章 悲劇を生んだ根本原因
エピローグ 「欧米に追いつけ」の果てにあるもの
著者等紹介
前間孝則[マエマタカノリ]
ノンフィクション作家。1946年生まれ。石川島播磨重工の航空宇宙事業本部技術開発事業部でジェットエンジンの設計に20余年従事。退社後、日本の近・現代の産業・技術・文化史の執筆に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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