草思社文庫<br> 悲劇の発動機「誉」―天才設計者・中川良一の苦闘

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草思社文庫
悲劇の発動機「誉」―天才設計者・中川良一の苦闘

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  • サイズ 文庫判/ページ数 570p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784794221209
  • NDC分類 538.3
  • Cコード C0195

出版社内容情報

太平洋戦争の直前、中島飛行機の天才的設計者中川良一は世界トップクラスのエンジンの試作に成功。海軍はどよめき立ち、実用化を試みるがトラブルが続出する。その原因とは何だったのか。当時の史料、当事者への取材など徹底追及した労作。

【著者紹介】
ノンフィクション作家。一九四六年生まれ。石川島播磨重工の航空宇宙事業本部技術開発事業部でジェットエンジンの設計に二十年従事。一九八八年、同社を退社。日本の近現代の産業史の執筆に取り組む。主な著書に『弾丸列車』(実業之日本社)『マン・マシンの昭和伝説』上・下(講談社文庫)『戦艦大和誕生』(講談社+α文庫)『世界制覇』上・下(講談社刊)『日本のピアノ100年』(岩野裕一氏との共著、草思社刊〕『日本はなぜ旅客機をつくれないのか』(草思社刊)『技術者たちの敗戦』(単行本・文庫とも草思社刊)『満州航空の全貌』(草思社刊)などがある。

内容説明

日米開戦の半年前、中島飛行機の若き天才設計者・中川良一は、野心的な高性能の次世代エンジン「誉」を完成させる。小型軽量ながら当時の世界最高水準を実現したまさに奇跡のエンジンであり、彩雲、疾風、紫電改などの新鋭機に次々と搭載されていく。だが想定されたハイオクタン燃料が入手できず、原材料の質低下、熟練工の軍隊召集、陸海軍の不手際などによりトラブルが続き、その真価を発揮できることなく敗戦を迎えた。本書は「誉」の悲劇を克明に追い、現代に連なる日本の技術開発や組織運営が抱える矛盾と問題点を浮き彫りにする。

目次

プロローグ 博物館の鉄の塊
第1章 奇跡のエンジン「誉」
第2章 中島知久平の旗揚げ
第3章 試作から量産へ
第4章 「誉」エンジンの検証
第5章 欧米メーカーの開発体制
第6章 シリンダーとピストン、冷却の盲点
第7章 航空技術廠内の「誉」批判
第8章 悲劇を生んだ根本原因
エピローグ 「欧米に追いつけ」の果てにあるもの

著者等紹介

前間孝則[マエマタカノリ]
ノンフィクション作家。1946年生まれ。石川島播磨重工の航空宇宙事業本部技術開発事業部でジェットエンジンの設計に20余年従事。退社後、日本の近・現代の産業・技術・文化史の執筆に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ゲオルギオ・ハーン

30
世界最高水準を目指した戦闘機用発動機『誉』だけに留まらず、開発した中島飛行機の概略、開発や経営について三菱と比較、当時の飛行機用エンジンを開発していたトップ企業の概略そして当時の日本軍(特に海軍)における兵器開発戦略の問題点もまとめたボリュームのある内容。誉の設計者中川氏に直接インタビューもしているが、中島飛行機と誉の問題点を容赦なく指摘している。著者は元IHIのジェットエンジン設計者ということもあって隅々まで逃げることなくはっきりとした説明があって読んでいて気持ちが良かった。2021/08/08

to boy

21
読み応えのある一冊。零戦に搭載された「栄」に続く中島飛行機が開発した発動機「誉」を主軸に、大戦中(さらには日本の)の航空機産業を俯瞰したものです。突出した設計とそれに追いついて行けない工業力。また軍部の暴走など全く余裕のない軍需政策に振り回された技術者達が可哀想になってきます。2015/06/14

とろとろ

18
戦争の敗因の一つと言われる誉エンジンの開発元である中島飛行機の話?。似たような記述や批判が繰り返し出てくる。このエンジンの(存在も含めた)問題点を知っている人から見ると当たり前の説明と批判。設計者は東大卒僅か4年にして主任設計者となった。だから、大学の卒業研究の延長的な発想で設計が行われた。問題は現場の技術レベルを知らない新米技術者の生産性を無視した設計と、技術の本質が分からない軍上層部によるゴリ押しか?。不調のエンジンを押しつけられて苦労して戦った前線の兵士の方がはるかに悲劇であったと思う。2015/08/26

モリータ

13
◆2007年単行本・草思社刊、2015年同社文庫。◆小型で高性能だが様々な問題を抱え、実戦において額面通りの性能を発揮できなかった「誉」エンジン。その神話的側面を解体しつつ、エンジンという技術的結晶の中核部分(シリンダー・ピストン)とその開発の実際を披歴。そして「誉」が象徴する、中島飛行機と主要な関係者、日本の(軍事的)航空機技術・産業、さらには日本軍の航空機政策、それらの特徴や問題性を明らかにしていく。比較のために、中島とは異なる社風を持つ三菱重工や、欧米各社のエンジン開発体制などについても紹介される。2021/11/13

m_syo

4
500ページ近い本だが、専門的な技術に偏ることなく、今日にまでつながる組織上の問題点を指摘するなど、非常に面白かった。最先端技術の兵器は、国の総合的な力が無いと育たないのだと実感。それを実現できる技術的な蓄積も実力もなく、背伸びしたエンジンだった。そのような惨状を、当時の指導者たちは認識せずに戦争に踏み切ったという事実が空恐ろしい。「もし紫電改が間に合っていれば」と夢のような話をした本もあるが、それはハナから無理だったということだ。2015/09/20

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