出版社内容情報
第一次大戦からアフガン空爆まで、あらゆる戦争に共通する正義捏造、自国正当化のからくりを気鋭の歴史学者が読み解く。戦争の見方を根底から揺るがす衝撃の書。
【著者紹介】
歴史学者。ブリュッセル自由大学歴史批評学教授。歴史批評を近代メディアに適用し、世論を特定の方向に誘導するからくりを体系的に分析してきた。著書に『Lettre ouverte ── la secte des adversaires des sectes (宗教団体を弾圧する団体への公開質問状)』。
内容説明
「われわれは戦争を望んでいるわけではない」「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」。いま世界のいたるところで飛び交っている主張である。当事国の双方がまったく同じ論理で相手を非難して自己を正当化する。両次世界大戦から冷戦、東欧でも中東でも、現在にいたるあらゆる紛争において流布され世論を操る、巧妙かつ効果的ともいえる手法である。ポンソンビー卿の古典的名著『戦時の嘘』の指摘をふまえて、こうした戦争プロパガンダの基本的なメカニズムを検証するのが本書である。当事国がメディアと結託して広める嘘に隠された真意を読み解く、メディアリテラシーを研ぎ澄ませる一冊。
目次
第1章 「われわれは戦争をしたくはない」
第2章 「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」
第3章 「敵の指導者は悪魔のような人間だ」
第4章 「われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う」
第5章 「われわれも意図せざる犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる」
第6章 「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」
第7章 「われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大」
第8章 「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」
第9章 「われわれの大義は神聖なものである」
第10章 「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」
著者等紹介
モレリ,アンヌ[モレリ,アンヌ] [Morelli,Anne]
歴史学者。1948年ベルギー生まれ。ブリュッセル自由大学歴史批評学教授
永田千奈[ナガタチナ]
1967年、東京生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
5 よういち
keroppi
たまきら
100