出版社内容情報
支那事変・日中戦争(1937年)から太平洋戦争(1941年)へと戦況が拡大するなか、日本は統治下朝鮮の兵力・労働力動員を余儀なくされた。??強制連行?∞?従軍慰安婦?≠ネどの史実を無視した言説で語られてきた、この「朝鮮の戦時動員」を取り上げ、米国議会図書館所蔵の旧日本陸海軍史料、朝鮮総督府公文書、体験者の口述をもとに、これを検証。気鋭の米国人研究者が可能なかぎり公正にその実相を追求した「朝鮮戦時動員」史。
【著者紹介】
米コースタル・カロライナ大学歴史学准教授。1970年生まれ。02年ハワイ州立大学マノア校で博士号取得(朝鮮史)。ジョージ・アキタ氏(ハワイ大学名誉教授)との共著『「日本の朝鮮統治」を検証する 1910-1945』で、2014年7月、第1回(寺田真理記念)日本研究賞を受賞。
内容説明
日中戦争から太平洋戦争へと戦局が推移するなか、準備不足を懸念しつつも、日本は統治下朝鮮での戦時動員(労務動員・志願兵制度・徴兵制度)に踏み切る。これら戦争中の体験はのちに、“強制連行”“従軍慰安婦”などの造語を生み、政治的色合いの濃い言説で語られ、外交の火種であり続けた。気鋭の米国人研究者が、英語圏における研究対象から欠落していた「朝鮮の戦時動員」を取り上げ、総督府文書をはじめとする膨大な資料を読み込み、他の列強の政策と比較しつつ、可能なかぎり公正にこれを検証。朝鮮の大方の人々が自らの意思で日本の戦争遂行努力に協力し、ときにしたたかに抵抗していたその実相を明らかにする。民族史観的パラダイムを超えた、新世代による「統治史」研究の登場である。
目次
1章 朝鮮人の徴兵・徴用が持つ意味(朝鮮総督府 その性格と権力;朝鮮人の戦争準備態勢 ほか)
2章 朝鮮人特別志願兵制度(徴兵政策の立案過程;兵役制導入のための宣伝工作 ほか)
3章 朝鮮人徴兵制度(朝鮮兵徴集の決断;徴兵制度導入のための準備 ほか)
4章 朝鮮人の労働動員(戦時労働動員の法的基盤;労務動員計画 ほか)
著者等紹介
パーマー,ブランドン[パーマー,ブランドン] [Palmer,Brandon]
コースタル・カロライナ大学歴史学部准教授。1970年生まれ。97年ブリガム・ヤング大学にて修士号取得(国際関係論)、2005年ハワイ大学マノア校にて博士号取得(朝鮮史)。著書に、ハワイ大学マノア校名誉教授ジョージ・アキタ氏との共著『「日本の朝鮮統治」を検証する1910‐1945』(Japan in Korea:Japan’s Fair and Moderate Colonial Policy(1910‐1945) and Its Legacy on South Korea’s Developmental Miracle)
塩谷紘[シオヤコウ]
ジャーナリスト。1940年生まれ。AP通信社勤務、リーダーズ・ダイジェスト誌日本版編集長、文藝春秋北米総局長を経て、フリー・ジャーナリスト活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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