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死を悼む動物たち

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784794220769
  • NDC分類 481.78
  • Cコード C0045

出版社内容情報

死んだ妹を探しつづける猫
車にひかれた仲間を救う犬
棺の前から動こうとしない軍用犬
遺骸のまわりをまわりつづける馬
餓死にいたるほど落胆したウサギ
肉親の「遺骨」に執着するゾウ
手向けの贈り物をしたゾウ
カラスは??羽の生えた類人猿??
嘆きの海に生きるイルカ、クジラ
種を超えて結ばれた動物の友情
クマ牧場の母グマの「自殺」
水槽で命を絶ったフリッパー
チンパンジーは仲間の死を理解しているのか
仲間の死を突然悟ったゴリラ
遺骨を訪ねてきたバイソンの群れ
動物の悲しみ、人の悲しみ……など

死んだ妹を探しまわる猫。友達の死後、衰弱して死んだ犬。遺骸を「埋葬」するゾウ。死んだ子イルカと母イルカを守る十数頭のイルカ――。さまざまな動物たちが、家族や仲間の死に対してみせる驚くべき行動を、じっくりと観察し記述した書。あまりにも深い「悲しみ」の行動をみせる動物たちに驚かされる。

【著者紹介】
ウイリアム・アンド・メアリー大学人類学教授。National Public Radio Blog やthe Times Literary Supplement 等に寄稿。

内容説明

大切な者の死を前にして、彼らは深い悲しみを示していた。猫、犬、馬、ウサギ、ゾウ、サル、鳥、イルカ、クジラ…。さまざまな動物たちの悲嘆の行動の向こうに見えてくるもの。

目次

死んだ妹を探して―猫
最良の友だち―犬
農園の嘆き―馬・ヤギ
悲しみがうつを引き起こす―ウサギ
骨に刻み込まれた記憶―ゾウ
死んだ子ザルを手放せない―サル
チンパンジーのやさしさと残酷さ
愛と神秘を語る鳥たち―コウノトリ、カラス
嘆きの海に生きる―イルカ、クジラ、ウミガメ
悲しみは種を超えて
自殺する動物たち
霊長類の嘆き
死亡記事と死の記憶
文字につづられた悲しみ
先史時代の悲しみ

著者等紹介

キング,バーバラ・J.[キング,バーバラJ.] [King,Barbara J.]
ウィリアム・アンド・メアリー大学教授。専門は自然人類学。ダグラス・カレッジ卒業、オクラホマ大学で博士号を取得後、ケニアでサルの研究を行い、さらにアフリカ、アメリカの各地でサルや大型類人猿の観察を進めてきた。人間と動物を結ぶ情動的関係について、その研究は従来の考察を深めたとして高い評価を得ている。ナショナル・ジオグラフィック・ラジオなどアメリカ国内をはじめ、ヨーロッパやカナダ、オーストラリアの海外メディアにも幅広く登場

秋山勝[アキヤママサル]
立教大学卒。出版社勤務を経て翻訳の仕事に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小梅

87
ジャケ買い。積んでる間に文庫が出ていて慌てて読みました。以前、ドキュメンタリー番組で象の群れが移動中に過去に死んだ仲間の骨を鼻で触りながら思い出しているような場面を見た事があります。学者さんって、なかなか断定をしちゃいけないんだろうな。人間にも色々な性格があるように、全ての生き物には個体差があるもんなぁ〜2018/03/17

壱萬弐仟縁

39
13年初出。生きものに感情生活がある。人間の独自性を讃える義務(22頁)。悲しみは愛から生まれる(45頁)。これを書いているのは3・11だから犠牲者に哀悼を表します。身の危険も顧みず、仲間を助けようとする犬(48頁)。死を悼む行動が犬にはある。母が可愛がっていた野良猫は1週間前から消えた。葬儀のことも理解できたのかもしれない。残った猫は食い意地だけで残念無念。ゾウ、チンパンジー、バイソンの中には死体の意味を理解、仲間だと認めるものがある(59頁)。2015/03/20

Rin

38
【図書館】知能の高いと言われる、ゾウやイルカ。そして鳥や馬、ウサギに猫に犬、クマや猿など様々な動物たちは、仲間や家族を失った時に悲しみを感じているのか?その疑問は進めていくうちに、友情や愛情を感じているのでは?そして動かなくなってしまった、時を止めてしまった仲間の死を彼らなりの感じ方、表現の仕方で悼んでいるのだと思えてくる。それ以外にもクマ農場や、実験など人間の身勝手で傲慢で残酷な現実も記されていて、世界はまだまだ動物たちにとって優しくないと痛感させられる。まずは身近な動物たちをもっと知っていきたいです。2015/08/23

アリ子

25
とても読み応えがあった。昔、人間と動物の違いは、意志があるかどうかだと教わったけれど、ここで紹介されている動物たちに意志が無いとは思えない。特に「クマ農場」の話は衝撃だった。国立科学博物館に、2万4千年前の子供たちを見に行きたい。2014/12/06

G-dark

20
自分にとって大切な誰かが亡くなっても、周りの世界は昨日と特に変わりなく動いていきます。でも自分の世界はその日を境に激変します。そんな悲しみを人間だけでなく、他の生き物たちも感じているのかも…と気づかせてくれる本。高速道路で車に轢かれた仲間のもとへ、猛スピードで車が行き交う中にじり寄って行き、死んだ仲間を中央分離帯へ引きずっていった犬。仲間の死骸の周りを掘り返して、死骸の上に土や葉をかぶせたゾウ。どのエピソードも、死を悼むのは人間だけではない、と教えてくれます。愛するものを喪う悲しみは、種を超えて、皆同じ。2016/06/03

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