草思社文庫
世紀の贋作画商

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  • サイズ 文庫判/ページ数 408p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784794220318
  • NDC分類 706.7
  • Cコード C0195

出版社内容情報

銀座・並木通り画廊街―。贋作絵画を雨あられと降らせた男がいた。松本清張、江上波夫ら大家の名を騙り、手練れの画商たちを操った稀代の詐欺師、「銀座の怪人」と呼ばれた男を追う。

【著者紹介】
ルポライター。石川県金沢市出身。英字新聞などの記者を経て著述業に。記者時代には産業政策担当として経済産業省をはじめ、国土交通省、厚生労働省、総務省、外務省、環境省、内閣府などを取材する。とくに土光臨調や橋本行革での省庁再編にともなう、政策決定過程における官僚の心理的動態の変化に着目。「訊くのではなく聞こえる瞬間を待つ」を信条に、海外と日本を往来しながら息の長い学際的なフィールドワークを続けている。著書に『沖縄戦と民間人収容所』(原書房)、『炭鉱太郎がきた道』『闇市の帝王』(以上、草思社)『総理の乳母』(創言社)、『堤義明 闇の帝国』(光文社)などがある。

内容説明

9.11テロの関連捜査をしていたFBIがニューヨークで捕えたユダヤ人画商は、日本に驚くほどの数の「贋作」を売りさばいていた。バブル狂乱の前夜から銀座を拠点に暗躍したこの男は、企業、富裕層、美術館を標的に贋作を撤き散らし、作家松本清張にも接触していたという。82年には三越の贋作秘宝事件で世間を驚愕させ、社長解任・逮捕まで巻き起こした。FBIをして「世紀の贋作画商」と呼ばせたその数奇な運命、そして彼の贋作バブルに生命を与え続けた日本人の精神の「膿」を、綿密な取材からえぐり出す。

目次

第1章 怪人現る
第2章 清張との奇縁―狂乱に陥れられた三越
第3章 異邦人たちの源流
第4章 天才贋作画家との邂逅
第5章 もう一つの“通貨”
第6章 対峙

著者等紹介

七尾和晃[ナナオカズアキ]
ノンフィクション作家。海外と日本を往来しながら息の長い学際的なフィールドワークを続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゲオルギオ・ハーン

25
三越事件で一部に知られることになったイラン人の贋作画商イライ・サカイ氏を追ったノンフィクション。著者は美術品市場に詳しいわけではないため市場規模や取引、輸出入事情についての話がいい加減な面もあるが、正体不明の画商を追い続けてついに本人に対面する執念がスゴい(FBIをはじめとした関係者から「なんでそんなに調べているの?」と疑問を持たれるほど)。最初は被害者と見られていた三越が実は贋作画商を巻き込んで粉飾会計かという疑念が出るような展開だが、著者はそこまではっきり話さないため著者の真意も読みづらい。2022/08/24

ヴィオラ

9
いや、あなたの話は聞いてません(;´∀`)と苦笑いしちゃうくらい、著者が前に出てくるw 前は何して働いてたとか、どこどこ出身とか…そういうの読んでると、肝心のノンフィクション部分の信憑性も、少し眉唾に思えてきてしまう…。著者の、感想というか想像の記述が多く「~かもしれない」というフレーズが連発する。最後は次作の宣伝だしw もう少し、贋作や詐欺の具体的な内容が読みたかったかも。2014/03/05

太田康裕

4
バブル期を中心に日本の政界・美術界を描くことで日本人論を展開したかったんだろうが、いかんせん何もかも中途半端だった。詐欺師の評伝としては踏み込みが足りないし、美術界の闇は深すぎて表面を撫でるに止まってるし。これ、元々雑誌連載で取材経費バンバン使ったけど大した成果出ないままに掲載せざるをえなくなったんじゃないかと穿った見方してしまった。著者が妙に取材対象を自分と同一視するのも、こじつけのような理由ばかりで何故そんなに取材したいのか伝わって来なかった。2016/11/18

Fumihiko Kimura

4
いきなり地元美術館のルノワールの話が出てきたりして惹き込まれるが、この手のノンフィクションの常として、本筋と基本的には無関係な筆者の推測や思いが繰り返され過ぎると退屈するもの。残念ながらこの本もその嫌いがある。せっかくの山場である画商との対面の場面も、盛り上げた末に平凡で白けるし、清張と画商との関係も詰めきれないまま憶断ぽい箇所もあって、これでは清張に失礼。最後の最後に珍妙な氏名が出て、当該話題で「つづく」かの如き終わり方だが、それならもっと本筋を整理すべきだったろうに。途中楽しませる箇所も多いのに残念。2014/05/17

Asaya

4
つまらなかった。と言うより、つまらなく書きすぎ。こんな面白い題材なのに。そもそも時系列がめちゃくちゃで集中できない。しかも天才贋作詐欺師のイライの視点なのか、騙された人たちの視点なのか、追いかけるFBIの視点なのかもはっきりしないので、誰にも感情移入出来ない。どなたかも書いていたが、イライやその奥さんと、作者自身の接点とかどうでもいい。言うほど近いとも思えないし。三越のくだりは面白かったが、そこだけ。後半はすっ飛ばしながら読んだ。この面白い題材を誰か他の人に書き直してもらえないものか…2014/04/13

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