草思社文庫
アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか

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  • サイズ 文庫判/ページ数 301p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784794219923
  • NDC分類 319.530
  • Cコード C0136

出版社内容情報

アメリカの対外政策に影響を与えてきた反共エリート集団の暗躍を、ナチスと親密な関係を築いていたブッシュ一族などを中心に描く。

1920年代からソ連邦の崩壊にいたるまで、アメリカの外交戦略には、明確なパターンがあった。それは「共産主義に対抗するために独裁者を援助し、育てる」というものである。この最初にして最悪の例がヒトラーのナチスだったといえる。第一次世界大戦で焼け野原となったドイツが、十数年後にはヨーロッパを席巻する軍事大国になれたのは、ブッシュ大統領の一族など、アメリカ政財界の親ナチス派の援助に負うところが大きかったのだ。戦後、この親ナチス・エリート集団は、反共工作のために各国の独裁者、麻薬王、そしてイスラム過激派とも手を組んだが、多くの場合、最終的にはみずからが育てた独裁者たちと対峙することになった。本書は、アメリカ外交の舞台裏で暗躍したこの黒い人脈にスポットライトをあてる、きわめて刺激的なノンフィクションである。

【著者紹介】
東京財団リサーチ・フェロー。昭和44(1969)年、東京生まれ。中央大学法学部政治学科卒。平成6(1994)年よりオランダ留学。同9年アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。国際関係学修士。在蘭日系企業勤務、フリーのジャーナリストを経て現職。米国を中心とする外交、安全保障が専門で、日経BPオンラインに「安全保障インサイド」を連載中。著書に『アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか』(草思社)、『日本人が知らない「ホワイトハウスの内戦」』(ビジネス社)等がある。

内容説明

ナチス・ドイツという強烈なファシズム国家はアメリカのエリート層の支援なくしては誕生しなかった―1920年代以降、アメリカ外交戦略は「共産主義に対抗するために独裁者を援助し、育てる」という明確なパターンを繰り返してきた。その最初にして最悪の例がヒトラーのナチスだった。戦後は反共工作のために、独裁者、麻薬王、イスラム過激派と手を組み「冷戦」を演出してきた。そしてアメリカは自らが育てた独裁者と対峙することになる―。世界を牛耳るアメリカの政治・経済・諜報エリートの暗躍を描く真実の米外交裏面史。

目次

序章 独裁者を支えたアメリカのエリートたち
第1章 ドイツを軍事大国にしたアメリカ企業
第2章 ドイツと戦いたくなかったアメリカの事情
第3章 アメリカを戦争に引き込んだチャーチル
第4章 親ナチス派と反ナチス派の暗闘
第5章 冷戦を「演出」した反共の闘士たち
第6章 ブッシュに引き継がれた黒い人脈
終章 9・11を生んだアメリカの冷戦外交

著者等紹介

菅原出[スガワライズル]
国際政治アナリスト。昭和44(1969)年、東京生まれ。中央大学法学部政治学科卒。平成5(1993)年よりオランダ留学。同9年アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。国際関係学修士。在蘭日系企業勤務、フリーのジャーナリスト、東京財団リサーチ・フェロー、英危機管理会社役員を経て現職。米国を中心とする外交、安全保障、地政学リスク研究が専門で、日経ビジネスオンラインに「隠された戦争」を連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

21
個人的に注目している国際ジャーナリスト。タイトルは少し大袈裟。第一次世界大戦以後の米国の対ドイツとの国際関係を要約した感じ。もちろん時代的に状況的にヒトラーと通じた事も分かった。その後も米国は国益を重視した外交関係を続け現在に。利益と反共産主義を根本に世界で権力を行使。9.11テロにも触れているが、太平洋戦争での米英の動きが参考になった。2015/12/05

James Hayashi

18
復習のために再読。O図書館へ寄贈。2019/01/17

みむら しんじ

2
読了。米国エリート集団は第二次大戦前にドイツの精鋭たちに莫大な投資をし、その経済と頭脳はなくてはならなかった。ドイツ財界が支持するアドルフ・ヒトラーとも自然と強く結びつきナチス・ドイツの再軍備にも援助しその方向性は「反共のための勢力の支援」でもあった。しかし、次第にドイツの欧州での闘いにも米国エリートたちは巻き込まれないように食い止めるが、チャーチルの画策により参戦せざるを得なくなる。戦後もドイツのナチス残党を南米に逃がし再び自国に取り込もうとする米国。陰謀と画策と反共の歴史でもある。2014/10/09

syam

2
国益といえば聞こえは良いけど、要するにアメリカが反共という大義名分の下に金儲けをするためにヒトラーという独裁者を必要とした、というえげつない話。これを読むと、迷惑をこうむる側からしたら911はテロじゃなくて単なる報復だし、アメリカ側は自業自得としか言いようがない。よく見方を変えよう、と言われるししているつもりだけど、第二次大戦や冷戦を思想や武力という切り口ではなく金という切口で見る視点はなかったな。その意味で実に面白かった。2014/01/18

Ikuto Nagura

1
本書に描かれる共産主義の脅威に怯えるアメリカのエスタブリッシュメントの姿から『共産党宣言』の冒頭が頭に浮かんでくる。「一つの妖怪がヨーロッパにあらわれている、──共産主義の妖怪が」「ブルジョアジーはなによりもまず自分自身の墓堀人をつくりだす」マルクスの言う墓堀人はプロレタリアートの団結であったが、アメリカは共産主義の妖怪と対峙するために、ファシストやテロリストを産み出していた。利益を求めるのに、ルールもモラルも必要ないという資本主義の本性。プロパガンダに流され、それらを支えちゃう私たちの民主主義の浅薄さ。2014/12/05

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