出版社内容情報
私は18歳で精神病棟に入った経験を持つ著者が、病棟で出会った少女たちの素顔をいきいきと描く。映画『17歳のカルテ』原作。
私は18歳で精神病棟に入れられた──。今は作家である著者が、病棟で出会った少女たちの素顔をいきいきと描く。狂気と正気の危うい境界を捉えた米ベストセラー。ウィノナ・ライダー、アンジェリーナ・ジョリー出演映画『17歳のカルテ』原作。
【著者紹介】
作家 1948年マサチューセッツ州ボストン生まれ。18歳の時の実際の体験を元に本書を執筆。
内容説明
１８歳のわたしは「境界性人格障害」と診断され、精神病院に入れられた。そこでは同世代の少女たちが病んだ心を抱え、入院生活を送っていた。ほとんど食べず眠らないリサ、自分に火をつけたポリー、クリスマスと誕生日だけ入院するデイジー…青春の一時期を閉ざされた病棟で過ごした著者の回想記。思春期の狂気と正気の危うい境界をとらえ、絶賛を浴びて全米ベストセラーとなった作。映画『１７歳のカルテ』の原作。
目次
隣にある別世界
タクシー
病気の原因
火
自由
人生の秘密
スパイ
ここがあなたのわが家です
わたしの自殺
入院したわけ〔ほか〕
著者等紹介
ケイセン，スザンナ［ケイセン，スザンナ］［Ｋａｙｓｅｎ，Ｓｕｓａｎｎａ］
１９４８年、アメリカ・マサチューセッツ州ケンブリッジ生まれ。作家
吉田利子［ヨシダトシコ］
翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ケイ
126
自伝だ。18歳の時に2年ほど精神病院で過ごした記録。20年後に当時の診察記録なども調べ、ようやく当時の病名を知る。そしてこの作品となった。彼女の言うことは信頼できるのか。正しい記憶を持ち続けられたのか。それは分からない。でも時折、妙にリアルに響く、ゾッとさせる挟まれている言葉。それは彼女の経験した、もしくは記憶した真実なのだろう。「こちら側から向こう側は見えないけれど、向こう側に行ってしまうと、こっちの世界がとてもよく見えるということだ。アルカトラズの全ての窓からはサンフランシスコがよく見える」2021/07/17
青蓮
111
映画「17歳のカルテ」の原作。18歳の時、境界性人格障害として精神病院に入れられた著者の回想記。私も過去に2週間程、閉鎖病棟に入院しましたが、本書はそれとは随分違う様子で少し驚きました(時代や国が違うせいもありますが)。同じく心を病んだ少女達ーーリサやポリー、デイジー、アリスなどとの交流は微笑ましいところはあれど、何となくギスギスした感じがまたリアル。「中断された人生」では共感を覚えました。映画の方も気になるので今度見てみようと思います。2018/01/10
蘭菜
20
異常と正常の境界はどこにあるのだろうか。そもそも異常とは、非常に繊細であることや、脆いこととどのくらい違うのだろうか。彼女たちは青春の真っ只中で、人よりも少々過敏であっただけではなかろうか。ゆえに、彼女たちは個性的で面白いのだろう。私も彼女たちと同世代の頃、心療内科で薬物療法を受けていたが、その当時に読まなくて良かったと思った。もし当時読んでいたら、自分が閉鎖病棟に入るべきほどの狂人であると錯覚したと思う。今、当時を客観的に振り返ることができるようになったからこそ、彼女たちがただ危ういだけなのだとわかる。2017/03/22
F
20
映画『１７歳のカルテ』の原作本で、ノンフィクションの自伝。患者の肉声、感情が新鮮だった。狂気と正気の境目とはなにかを考える。2012/12/18
daiyuuki
19
私は18歳で精神病棟に入れられた──。今は作家である著者が、病棟で出会った少女たちの素顔をいきいきと描く。狂気と正気の危うい境界を捉えた米ベストセラー。ウィノナ・ライダー、アンジェリーナ・ジョリー出演映画『17歳のカルテ』原作。精神異常がどのようなものか、心と脳の関係を分かりやすく描いたり、入院患者との交流が分かりやすく描いていて、映画を見た人にも楽しめるノンフィクションです。2015/06/25
