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草思社文庫
オウムからの帰還

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  • サイズ 文庫判/ページ数 293p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784794218810
  • NDC分類 169.1
  • Cコード C0195

出版社内容情報

1995年、出家信者として山梨県上九一色村の教団施設にいた著者は、教団の「科学技術省」に所属していた。
だがあまりに不穏で不合理な状況が続き教団に不信感を抱く。
上層部からは何の説明もないなか、意を決して教団から単身脱出――。
彼はそこで何を体験したのか。身近に見た教祖麻原彰晃の姿とは。恐るべき犯罪に手を染めた教団幹部たちの素の姿とは……。
内部にいたものだから知りえた教団の驚くべき実態を、可能なかぎり客観的な筆致で描写する。
地下鉄サリン事件の翌年に刊行された鮮烈な手記。

高橋 英利[タカハシ ヒデトシ]
著・文・その他

内容説明

1995年3月20日、オウム真理教による無差別テロ「地下鉄サリン事件」が起きた。約1か月後、まだ捜査が続くなか、初めて実名と素顔をさらしてオウムの実態を証言した元出家信者がいた。彼がオウムに魅かれ、出家に至った理由は何だったのか。そして、内部から見たオウムの実態、サティアンで彼が目撃し、体験したこととは。本書はオウム真理教の実態を伝える真実の証言であり、精神的苦悩を抱える一人の青年の心の記録でもある。

目次

第1章 軌跡(初めての冒険;ひとり遊び ほか)
第2章 出会い(講演会;アーナンダ ほか)
第3章 サティアン(ヘッドギア;毒ガス ほか)
終章 オウムからの帰還(オウムという怪物;現状からの離脱 ほか)

著者等紹介

高橋英利[タカハシヒデトシ]
1967年、東京都立川市生まれ。信州大学理学部地質学科、同大学院で測地天文学を専攻。野辺山天文台、水沢天文台での研究を中断して、94年5月にオウム真理教に出家。教団の科学技術省で故・村井秀夫の直属の部下となる。出家直後より教団に疑念をもっていたが、強制捜査を機に自ら上九一色村のサティアンを脱出、教団を脱会した。教団の非合法活動にはいっさい関わっていない(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yomineko@ヴィタリにゃん

73
オウム真理教がよく分かっていないのですが、この本だけで充分にその恐ろしさを痛感する事が出来ます。殺人さえ正当化。だからあのサリン事件が起きた!!!YouTubeで動画を観たが、地獄絵図。呻き声まで聞こえて来そうでした。この変な教団に騙されているのは理系の賢い男性ばかり。そして若い女性達が多い・・・😢そして、死刑執行!!!この方は危うく難を逃れましたが未だに教団の思想が存続していると知って驚愕!!!阪神大震災を予言している事だけは凄いと思った。後はもう不気味しかない・・・😨2021/09/20

hatayan

56
単行本は1996年刊。大学院で天文学を専攻した元オウム信者の手記。自分自身の存在の根拠の曖昧さに悩むなか井上嘉浩に勧誘されオウムに入信し、修行に専念できる場を求めてほどなく出家。教団では科学に明るい幹部候補として麻原教祖に重用され占星術を研究、豊田亨らとともに教団No2の村井秀夫の部下に。しかしサリン事件の直後に教団の抱える深い闇に気づき村井と対決して教団と訣別。翌日村井は暴漢に刺殺されます。 当時30歳に満たない著者が自分にとってのオウムを真摯に語ろうとした思索の軌跡として記憶にとどめたい一冊です。2020/05/19

Tomomi Yazaki

17
上九一色村のサティアンで働いていた著者。その一人の青年が何故オウムに魅かれ入信したのか。洗脳され財産は全て捧げ無償で働く。なんだか今の日本の縮図のよう。彼が疑問を感じ始めた頃に行われた警察の強制捜査。実はそれも警察内部の信者から知らされていた。そして阪神淡路大震災。奇しくも麻原彰晃は1月8日のラジオ放送で神戸で大地震が起こることを予告していた。これで信者の信仰心は強くなり信者も増えた。しかしその勢いもサリン事件で破滅へと進む。でも忘れてはならない。麻原彰晃は死しても、テロの火種となる信者は今もいることを。2024/05/22

かんちゃん

17
元オウム信者の手記。怪しげな新興宗教に惑わされる姿は、同様に怪しげな自己啓発セミナーと共通している。宥めたり恫喝したりしながら人格否定し、変革の必要性を説く。いったんアイデンティティが崩れかけたら、外界から隔絶して情報を遮断する。快楽と恐怖の中で無思考状態に陥らせる。そして都合の良い価値観をすり込む。ごく普通の知人から勧誘されて始まることが多い。少しでもおかしいと思ったら出来るだけ早く逃げ去ること。いったんその場を離れること。自分だけは大丈夫などと思っている人ほど脆いと知るべし。2015/02/16

マッキー

16
オウム元信者の書いた本。自分の生い立ちからオウムの魅力に取りつかれ出家するまで、非常に具体的に書かれていた。そこで見聞きしたことも克明に記されている。筆者はアーナンダとも身近な関係であり、出家までしていたが、オウムの麻原の言動や指示に違和感や疑問をときおり抱いていたところに妙に納得させられた。洗脳されながらも徐々に教義が揺らいでいっていることに気づけたのはすごいと思う。2018/11/12

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