内容説明
鞄一つで世界中を放浪しながら1日19時間、数学の問題に没頭した天才数学者エルデシュ。83歳で死ぬまでに発表した論文は1500、有史以来どんな数学者よりもたくさんの問題を解き、しかもどれもが重要なものであったという。アインシュタインを感服させ、奇才ゲーデルを励ました数学界の伝説的人物エルデシュは、子供とコーヒーと、何よりも数学を愛した。やさしさと機知に富んだ天才のたぐいまれな生涯をたどる。
目次
0 二十五億歳の男
1 ザ・ブックからそのまま出てきたような
2 エプシの謎
e サムとジョーの問題
3 アインシュタイン対ドストエフスキー
π 最愛の可能性専門博士
4 限界の報復
5 「神が整数を創りたもうた」
6 はずれ
7 生存者たちのパーティ
∞ 「わしら数学者はみんなちょっとおかしいんだ」
著者等紹介
ホフマン,ポール[ホフマン,ポール][Hoffman,Paul]
“Scientific American”誌の編集者を経て、“Encyclopedia Britannica”の発行者、および“Discover”誌の編集長を務める
平石律子[ヒライシリツコ]
東京生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たー
28
こういう変人(もとい天才)を温かく支えてあげられる人がたくさんいるというのが素晴らしい。2013/11/02
BIN
7
スーツケースを片手に世界を放浪しながら毎日19時間数学について考えつづけ、論文1500(ほとんど共著)以上を発表した天才数学者について、エルデシュを知る人たちによるインタビュー集。論文の数はオイラーに次ぐとのことだが、改めてオイラーは頭がおかしいですね。子供をイプシロンといったりエルデシュ語で話したりする変人だが、数学者からは好意的に観られていた模様。その辺がジョン・ナッシュとの違いか。こんな不世出の天才はもう出ないでしょう。ただ数学会での業績とかをもう少し知りたかった!2019/04/20
すー
7
天才数学者の伝記というと、ジョン・ナッシュの『ビューティフル・マインド』のような、病的な天才の、そこはかとない暗さの漂う伝記を連想するが、エルデシュの伝記は少し違っている。エルデシュも天才たちの例にもれず病的だ。けれども、その病的な側面は、彼を愛した多くの人びとによって和らげられた。そうして、彼は死ぬまで数学をやり続けた。彼は多くの人びとに愛されたまま生涯を全うし、彼もまた多くの人びとを愛したまま死んでいった。「天才」と呼ばれた人間の中で彼ほど愛されたまま死んでいった人は珍しい。2011/10/13
macho
6
すげえよ。このおっさん。2013/06/30
プラス3
6
「数学者はコーヒーを定理に変える機会だ」と言い、何よりも数学を愛し、数学に生きて死んだ数学者エルデシュ。その破天荒ぶりは奇人・変人(ときどきまとも)集団の数学者たちからも一目置かれるほど。それでいて人間関係はかなり良好だった様子!。(後半はエルデシュがほとんど出てこない話だったのが残念。)2012/11/18