内容説明
C級戦犯として巣鴨プリズンに服役していた1955年までのあいだに、著者が描いたスケッチは500枚を超える。配膳に並ばされるA級戦犯たち、MPに尋問される東條、妻子の写真に手を合わせる服役者―現存するスケッチには戦犯たちの素顔や房内の日常が軽妙なタッチで描かれている。戦犯たちの獄中での姿を生き生きと伝える貴重な記録である。「巣鴨プリズンのイラストレーター」が獄中秘話を述懐。
目次
第1章 C級戦犯として巣鴨プリズンへ(突然のDDTの洗礼;三度目の掃除屋、そしてA級戦犯との再会)
第2章 それは戦犯告知から始まった(初めての尋問;戦犯告知 ほか)
第3章 まさか戦犯と呼ばれるとは(腕ききの大工棟梁の長男として出生;またしても再召集 ほか)
第4章 巣鴨プリズンのイラストレーター誕生(梨本宮の依頼で描いた一枚のスケッチ;去る者、来る者 ほか)
第5章 獄中生活をイラストに支えられて(土木作業で始まった重労働三十年;アートショップの開店創業 ほか)
著者等紹介
飛田時雄[トビタトキオ]
1918年、茨城県稲荷村栗崎に生まれる。稲荷小学校高等科卒業後、徴兵検査で甲種合格し、39年仙台歩兵第四連隊歩兵砲中隊入隊。中国・武昌を皮切りに中国各地、南方での作戦に従軍したのち、43年帰還。翌年には水戸歩兵第二連隊留守部隊に応召され、軍曹として東京捕虜収容所大森本所や品川附属病室に捕虜監視要員として配属される。終戦後、捕虜を殴打し虐待を加えた罪でC級戦犯として逮捕され、47年に横浜軍事法廷で重労働30年の刑を言い渡される
岡村青[オカムラアオ]
1949年茨城県生まれ。ノンフィクションライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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