内容説明
お母さんの「熱心なしつけ」が、じつは不登校、ひきこもり、いじめ、非行、少年犯罪を引き起こしている。家庭でのしつけが、子どもの自主性を奪い、人間関係を歪ませ、子どもを自己否定に走らせているというのです。臨床経験豊富な著者が、お母さんたちに「もっと手を抜いて、楽になりましょう」と呼びかけます。閉塞状況にある子どももお母さんも解放される新しい子育て論。
目次
しつけと少年事件
しつけの「一方向性」を考える
立ちはだかる「信念」の壁
「ふつうのお母さん」に起きていること
「しつけの後遺症」
しつけすぎた子どもたち
重い「しつけの後遺症」
「しつけをしないで」への反論
お母さんたちの気持ち
お母さんを「父性」に走らせたもの
お母さんの救急箱
開きなおりで開かれる「悟り」
子どもへの過関心と無関心
心の中の「子ども」をかわいがる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鈴
45
「殺人者はいかに誕生したか」を読んだあとだったので、すんなり受け入れられた。我が家は小6息子、思春期突入中。ちょうどアドラー育児などから自分の今までのやり方が良くなかった、変えたいと思っていたときだったのもあり。アドラー育児だけだと切羽詰まった感が無かったのだけど、さすがに犯罪者になっちゃうよ!って思うと、学歴なんてどうでもいいから普通の子に育ってほしいと思っちゃう。長谷川さんの他の本も読んでみたい。2017/07/21
moshi
15
子育てにおける「受容」の大切さを説いた本。子育てが苦しくて苦しくて仕方ないお母さん向けの一冊。仕事柄子供はよく見るけど、躾が厳しいところの子は規範意識が強く、自他に厳しい。他の子を「〇〇は悪い」「〇〇を怒って!」と言うのを聞くと、あーこの子色々なものを抑圧してるんだな、将来苦労するかもしれないな、と思う。子育てを楽しんでる人にはそんなに必要ないかも知れないけど、視点の1つとして誰でも知っているといいと思う内容。詳しい手法については「保育士おとーちゃんの叱らなくていい子育て」を合わせて読むのがおすすめです。2019/03/03
さっちゃん
9
著者の思いが少し暴走してる感はあるが、子育て本に共通の、親が口出ししないで自立性を持たせるということだと思う。親の立場からするとなかなか難しいのだが(笑) 2017/09/13
Ayanosuke
7
2児の母として経験的に『子育ては書籍で得られる知識じゃない』と思い、頭でっかちにあならないように子育てに関する本は読まないようにしていたのですが、最近、他の人の考え方を知るつもりで少しずつ読むようになりました。子どもに勉強の習慣をつける本はよく見かけますが、本書のように『子どもにしつけをしない』という子育ての仕方を書いている本は初めてで新鮮でした。また、著者がカウンセラーをして実際に沢山の家庭と接した事実が書かれている点、説得力がありました。ただ、男女の違いを悪い意味で分け過ぎているように感じました。 2011/04/05
ゆきんこ
4
この本を読むことで、お母さん達の気持ちがスッと楽になると思う。勉強をさせない。叱らない。イライラしないで、そうゆうものだって受け入れたら、確かに幸せに過ごせると思う。側にいる時間の長い母親が受容する態度で、父性の部分は主人に任せようと思った。2017/03/07