美しき姫君―発見されたダ・ヴィンチの真作

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794217677
  • NDC分類 723.37
  • Cコード C0071

内容説明

1998年1月のNYクリスティーズで、たった1万9千ドルで落札された無名の作品は、じつはレオナルド・ダ・ヴィンチ自身の手による真作だった。ダ・ヴィンチ研究の世界的権威と最新のデジタル画像解析技術による作品の精査は、画面上に遺された「指紋」の照合をふくめ、この「世紀の大発見」が真実だと結論づけた。このニュースは2009年に世界を駆けめぐった。本書はその検証の当事者たちが経緯のすべて書き下ろしたものだ。さながらミステリ小説のように、作品に秘められた謎があらゆる角度から読み解かれ、その出自がしだいに明らかにされていく。美術史に残る貴重な1冊である。

目次

第1部 作風からモデルまで(序説;画材を科学的に検証する;作風、制作時期、服装;肖像画の役割、詩、モデル)
第2部 物理的・科学的検証(序説;マルチスペクトル撮影;土台;画法;修復作業―パスカル・コット、エヴァ・シュヴァン;描画材のスペクトル解析―パスカル・コット記;X線による調査;指紋の検証―ピーター・ポール・バイロ記;さらに、『チェチリア・ガッレラーニ像』との比較―パスカル・コット記)
第3部 総括(発見のまとめ;何が証明されたのか?)

著者等紹介

ケンプ,マーティン[ケンプ,マーティン][Kemp,Martin]
オックスフォード大学美術史学科名誉教授。ルネサンス期から現代に至る芸術と科学の絵画的形象をテーマに、執筆や放送に携わり、展覧会の主事を務めてきた。著書に、ミッチェル賞を受賞した『レオナルド・ダ・ヴィンチ:自然と人間に関する驚異の業績』(1989、2006年)など

コット,パスカル[コット,パスカル][Cotte,Pascal]
リュミエール・テクノロジー代表。光学技師で、マルチスペクトル高解像度カメラの発明者。2004年に、単独でルーブル美術館所蔵『モナ・リザ』のマルチスペクトル撮影を行なった。2005年から2009年のあいだに、社の事業として、ルーベンス、ドラクロワ、レンブラントなど、1500点以上の美術作品をマルチスペクトル撮影した

楡井浩一[ニレイコウイチ]
1951年生まれ。北海道大学卒。翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

47
2009年、約100年ぶりに発見されたレオナルド・ダ・ヴィンチの14番目の作品「美しき姫君」本当に真作なのか?その問いを美術鑑定の粋を集め、物理的・科学的に証明した。使用された画材・子牛皮紙の放射性炭素年代測定で、1440年から1650年のもの。色チョークの素材、描画材のスペクトル解析、X線による調査も科学的に合致したが、決定的なのが指紋とは!偽造の可能性はないのか?そもそもダ・ヴィンチの作品って、疑い出したらきりがない。「サルバトール・ムンディ」も驚きだけど、これからも真偽が議論になる作品が出てきそう。2019/05/09

tako

5
発見された一枚の絵の作者を特定する過程を記した本。 確かに科学的な検証もダ・ヴィンチを示す結果が出ているみたいだけど、それ以上に著者がそういう方向に誘導しようという意図が強すぎな感じ。科学的な検証のはずなのに頻繁に主観的な表現が入るので、なんとなく怪しいレポートを読んでいる気分になってしまったけど、逆にそこが面白かった。 解説に画像がふんだんに使われていたこともあって、この手の本としては読みやすく分かりやすかった。 この絵自体は(誰が作者でも)すごく素敵だなと思う。機会があったらぜひ見てみたいな。2015/03/05

ウイロウ

3
十九世紀ドイツの作品とされてきた素描が、じつはレオナルド・ダ・ヴィンチの真筆だった――〈美しき姫君〉と命名された少女の肖像画をめぐり、美術史と科学分析の両面から証拠を列挙しつつ、レオナルド真作説の主張を展開した一冊。鑑定のプロセスがかなり詳しく記述され、カラー図版も多数収録されている上、訳文が非常にわかりやすい。本書を読む限りではレオナルドの作品に間違いないと納得させられるが、実際には異論も多く未だ帰属問題は決着していないのが現状。しかし、真贋は別として、この絵のたたずまいには確かに心惹かれるものがある。2013/10/20

みゅうの母

2
姫が美しすぎて、可憐すぎて、もうそれだけで、読む価値ありと思います。細部の拡大図版や本来の色合いをバーチャル再構築した図版が紹介されていて、目の保養になりました。2013/09/28

Francis

1
無名の作品は実はダ・ヴィンチの真作だった・・・。新たに発見されたダ・ヴィンチの「美しき姫君」を最新の科学技術を用いて分析。かなり専門な本なんだけど、凄い面白かった。このような専門書を一般書の形で出版してくれた編集者に感謝。2012/05/31

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