宇宙を織りなすもの〈上〉―時間と空間の正体

グリーン，ブライアン【著】〈Ｇｒｅｅｎｅ，Ｂｒｉａｎ〉/青木 薫【訳】

草思社（2009/03発売）

• サイズ B6判／ページ数 445p／高さ 20cm
• 商品コード 9784794217004
• NDC分類 421
• Cコード C0042

内容説明

物理学によれば、私たちの時間と空間に関する常識的な感覚は、どうしようもないほど間違っている。たとえば、「時間は流れるもの」「歴史はひとつのはず」「空っぽの空間ではなにも起こらない」という常識的な考え方は、どれも間違っているというのだ。物理学は、いったいどのように私たちの「常識」をくつがえすのか？この世界の本当の姿は、私たちの「常識」から、どれほどかけ離れているのだろうか？『エレガントな宇宙』の著者ブライアン・グリーンが、現代物理学のもたらす世界像を鮮やかに描き出した、待望の最新作。

目次

第１部　空間とは何か（宇宙の実像を求める旅路；バケツを使って宇宙を探る；相対と絶対；非局所性と宇宙）
第２部　時間とは何か（時間は流れない？；時間の矢という問題；時間と量子）
第３部　時空と宇宙論（対称性と時空）

著者等紹介

グリーン，ブライアン［グリーン，ブライアン］［Ｇｒｅｅｎｅ，Ｂｒｉａｎ］
物理学者・超ひも理論研究者。ハーヴァード大学を卒業後、オクスフォード大学で博士号取得。現在はコロンビア大学物理学・数学教授。研究の第一線で活躍する一方、超ひも理論をはじめとする最先端の物理学を、ごく普通の言葉でわかりやすく語ることのできる数少ない物理学者の一人でもある。超ひも理論を解説した『エレガントな宇宙』は、各国で翻訳され、全世界で累計１００万部を超えるベストセラーとなった

青木薫［アオキカオル］
１９５６年、山形県生まれ。京都大学理学部卒業、同大学院修了。理学博士。翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ばんだねいっぺい]

知れば知るほどわからなくなったり、わかった気になったり。読後に周辺の風景を見渡すと奇妙な感じになる。

2023/06/14

[やまはるか]

「時間と空間」日常が展開される場であるそれを、古典物理からヒモ理論までを駆使して描き出す。結局はビックバンと量子力学がカギを握るらしい。「出来事はすべて存在している。それらは永遠に時空内の決まった場所を占め続け、流れるものは何もない」と断定する。ための理論的な説明がなされているが、その部分は全く理解できなかった。1000億個の銀河よりなる宇宙は無限の空間に向かって膨張しつつけ、その一つである天の川銀河の何千億個かの数えきれない星の一つが地球である｡こうなると宇宙は詩を読むようだ。これもまた読書の喜び。

2024/01/07

[デビっちん]

宇宙を織りなすものを考える上で、時間と空間について多角的に考察していきます。なぜなら時空こそが宇宙で起こるさまざまな出来事に密接に関係しているからです。身近な例への問から宇宙の成り立ちに関連づけ、その過程で古典物理学、相対性理論、量子力学、熱力学等の物理の法則にさらわれました。数式もなく言葉だけで解説できるんですねぇ。そこでのキーワードは対称性で、対称性に関する考察が現代の宇宙論の進展に深く関わっていることがわかりました。相対性理論と量子論の関係、超ひも理論へと展開するであろう下巻を読むのが楽しみです。

2017/04/28

[Fondsaule]

★★★★★　例え話：ほどほどのユーモア、数式：ほぼなし、説明：とても丁寧、内容：面白すぎる！　しかも青木薫さんの訳は本当にわかりやすい。量子論は専門家の間でもまだ決着がついていないところがあるにも関わらず、現実の世界で応用され始めている非常に興味深い分野だ。　アインシュタイン達が量子論者に突きつけた”EPRパラドックス”自体、何がパラドックスなのか理解するまで苦労したりするんだけど・・・

2018/04/17

[マーブル]

空間と時間。普段疑問を抱くことなく暮らしているこれらは、最新の物理学に触れるたびに常識が揺らいでいく。いくつかの関連本を読んでは、理解しきれぬままに知的興奮だけを覚え、また別な本を読むことを繰り返してきた。本書も、すっかり理解できたとは言えはしないが、口当たりの良さにするすると読める。てじっくりと説明してくれるため、これまで読んだ本よりもさらに分かりやすい。上巻を読み終えたところで、特に感想を書ける状態でもなく、上下巻合わせてと考えていたが、とっつき易いということだけでも伝えられればと思う次第。　

2023/06/25