内容説明
アメリカ一極集中が終わりを告げ、国際政治のパラダイムは劇的に変わった。国民国家のパワーが低下し、複合企業体、反グローバリズムを唱えるNGO、宗教色の強いテロリスト、そしてサイバー空間でつながる世界規模の群衆が力を揮い始めた。「衆愚の時代」が幕を開けたのだ。外交においては敗戦コンプレックスを引きずり、国内政治をみれば機能不全に陥った日本は、この新たな時代のパワーゲームにチャレンジできるのか。政治・外交の現場を熟知するベテラン・ジャーナリストが、日本の国連常任理事国入り敗北の主要因となった米中「結託」の宿命、国際政治において進む地殻変動の構図を分析。次期米大統領選・ポスト胡錦涛始動の年、2012年までに政界再編による政治の安定と、政治主導の外交が実現しなければ、日本は存在感なき「流浪の国」に堕すと説く。いま最も先見性に満ちた日本外政論。
目次
第1章 米中コンプレックス
第2章 脱「対米偏重外交」の試み
第3章 覇権国家の本音
第4章 二〇〇五年の敗北
第5章 アフリカと中国の絆
第6章 膨張主義の宿命
第7章 パラダイムの転換
著者等紹介
鈴木美勝[スズキヨシカツ]
時事通信解説委員兼ニュースJanet編集長。茨城県生まれ。早大政経卒。1975年時事通信社入社、政治部に配属。三木、福田各総理番、社会党、共産党、自民党河本派、宏池会、田中派、防衛庁、外務省などを担当。1990年からワシントン特派員、日米安保・外交、米国政治を中心に取材。外務省、首相官邸、自民党各担当キャップを経て政治部次長、ニューヨーク総局長、解説副委員長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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