内容説明
専守防衛の国・日本の自衛隊にとってインテリジェンスはとりわけ重要である。「ウサギのように大きな耳」を持たねばならないのだ。発足から半世紀、自衛隊はいかにして情報を収集し、情勢分析をおこない、どれほどの成果をあげてきたのか。陸上幕僚監部(陸幕)の第二部(情報担当)長をつとめ、朝鮮半島問題のエキスパートとして知られる元高級幹部が、ベールに覆われていた活動の実相を初めて明らかにする。あわせて、旧軍時代の大陸戦線従軍体験、現役時代に遭遇した「よど号事件」「金大中事件」から汲み取った教訓を披瀝。こんごの防衛省・自衛隊の情報戦略のあり方を総合的に示す。今もっとも時宜にかなった貴重な回想録。
目次
これからの防衛省に何が必要か(国防力の狙いは「抑止力」;イラク派遣の無形の収穫 ほか)
1部 歴史に学ぶ(将校を育てるエリート教育;大陸戦線従軍記 ほか)
2部 「よど号事件」に見る危機への対処(朝鮮半島と日本の安全保障;突発した「よど号事件」 ほか)
3部 金大中事件にまつわる誤解、中傷に終止符を(事件の背景として考えられること;都心で起きた奇怪な事件 ほか)
4部 国防と情報のあり方を考える(武力集団の創設当初における問題点;あるべき防衛省の“情報” ほか)
著者等紹介
塚本勝一[ツカモトカツイチ]
1921年、兵庫県生まれ。40年、陸軍士官学校卒業(54期)、45年、陸軍大学校卒業(60期)。51年、警察予備隊入隊。55年、アメリカ陸軍歩兵学校留学(通信将校課程)。59年~60年、イギリス陸軍大学校留学。67年~71年、在ソウル日本大使館防衛駐在官。この間に「よど号事件」突発。71年~73年、陸上幕僚監部(陸幕)第2部長。73年、陸将。73年~74年、通信学校長。学校長就任直後に「金大中事件」起こる。74年~76年、陸幕副長。76年より西部方面総監、78年、退官。79年~87年、サンケイ新聞客員論説委員。86年~2003年、平和・安全保障研究所理事、理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Machida Hiroshi