V.S.ナイポール・コレクション
自由の国で―V.S.ナイポール・コレクション〈3〉

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  • サイズ B6判/ページ数 397p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794216632
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

現代のわれわれは、ポストコロニアル=植民地独立後の世界を生きている。だが手にした「独立」とは何を意味するのか?「自由」は果たして自明の価値なのか?自由になったはずの人びとが抱える葛藤と矛盾と焦燥とを、驚異的な密度で描き出す。途方もなく壮大なテーマに作家ナイポールが五つの切り口から挑んだ意欲作。一九七一年度ブッカー賞受賞作に二作品を加えた完全版。

著者等紹介

ナイポール,V.S.[ナイポール,V.S.][Naipaul,Vidiadhar Surajprasad]
1932年、英領トリニダード・トバゴにインド移民三世として生まれる。オクスフォード大学に留学して卒業。BBCなどで働いたのち1957年『神秘な指圧師』で作家デビュー。植民地を題材にした作品が多く、小説家、紀行家として当代一流の評価を得ている。2001年度ノーベル文学賞受賞

安引宏[アビキヒロシ]
東大英文卒。「展望」復刊編集、「すばる」創刊編集長を経て、75年「祝祭のための特別興業」(『死の舞踏』所収)で再開第1回中公新人賞を受賞、文筆活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きゅー

11
ノーベル文学賞受賞の理由として「抑圧された歴史の存在を読者に示した」ことが彼の功績として讃えられている。本作におけるようなイギリスの旧植民地の生々しい描写は、イギリス社会において大きな反響を呼び起こすものだったろう。表面的に植民地支配は終わったはずであっても、隷属的な立場に追いやられているウガンダ人の姿が生々しい。白人の主人公は、自分は進歩的な人間であり彼らを尊重すると言いながら、面前で罵倒する。あまりに醜く自己中心的な白人と、怒りを秘めながらも無表情のアフリカ人。文学的であるにはあまりに政治的である。2020/06/19

dubstepwasted

2
「大勢の中で一人は」。ワシントンに住むインド人の物語。主人公のアイデンティティと誇り、そして居場所。/「教えてくれ、誰を殺るのか」。殺るべきは、イギリスでもなく、祖国でもなく、”発展途上国の若者が、欧米での勉学によって階層上昇を叶えられる”という希望そのものだった。2015/05/10

稲葉孝太郎

1
ポスト・コロニアルということだが、僕がポスト・コロニアリズムに疎いからか、いまいちよく分からないところも多かった。メインの『自由の国で』は、ウガンダの歴史を調べつつ読了(調べないと意味不明な箇所が多かったので)。小説単体として楽しむ作品ではないのかもしれない。そういう点では、『教えてくれ、誰を殺るのか』が、もうちょっと普遍的なテーマを扱っていて、予備知識なしに読めるように思う。2015/07/31

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