内容説明
俗説がまかり通り、定説がくつがえる昨今。いったい何を信じればいいのか?科学的思考により仮説の信頼度を調べる方法を、8つの実例で示す。誤った統計手法の適用、専門家たちの思い込み、そして政治とお金が、研究結果をどのようにゆがませているか?意外な結論にビックリすること必至、スリリングな科学啓蒙書。
目次
第1章 プロローグ―不確かで重大な問題にどうのぞむべきか
第2章 ゲイは遺伝か?
第3章 インテリジェント・デザイン説は科学か?
第4章 人間は昔よりバカになっている?
第5章 念力でモノを動かせるか?
第6章 地球温暖化は本当に心配すべきなのか?
第7章 宇宙には複雑な生物はまれか?
第8章 ニセ薬で病気は治せる?
第9章 コレステロールは気にする必要ない?
第10章 エピローグ―医学の常識が頻繁に逆転するのはなぜか
著者等紹介
アーリック,ロバート[アーリック,ロバート][Ehrlich,Robert]
米国ジョージ・メイソン大学物理学教授。主に物理学教育と理論物理学を専門とする。これまでに数多くの科学解説書を著している
垂水雄二[タルミユウジ]
1942年大阪生まれ。科学ジャーナリスト・翻訳家。京都大学大学院理学研究科博士課程修了
阪本芳久[サカモトヨシヒサ]
1950年神奈川県生まれ。慶応大学工学部卒業。出版社勤務を経て、現在は翻訳業に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茶幸才斎
8
同性愛は遺伝か、人類の知能は後退しているか、念力で物は動くか、温暖化は本当に危惧すべきか、など8つの難問(?)を取り上げ、判断根拠とされる研究事例を紹介し、科学的な妥当性を冷静に評価して、最終的に各命題のインチキ度を5段階で格付けしている本。いみじくも、科学者とは命題に対し正否の判断を下すのでなく、実験に基づく科学的妥当性の度合いを述べるだけだと分かる。温暖化のような正確な未来予測の困難な問題を前に、責任を持ってこれが正しいと断じて対策を講じるのは誰かと云えば、それはつまり科学者ではなく政治家なのである。2014/11/27
takao
3
ふむ2023/05/13
Mark.jr
1
「怪しい科学」とタイトルにありますが、取り上げられているのは「地球温暖化」や「コレステロールの健康への影響」など、科学に馴染みのない人でも知っているようなポピュラーなものばかりです。否定派・肯定派それぞれの論を、かなり深く掘り下げて検証しているので、難しい部分もあると思いますが、あの説が実は信憑性があるなど、意外な結論も飛び出したりするので、興味のある方は是非。2018/12/24
T-hiro
1
原題"A Preposterous Propositions:From the Genetics og Homosexyality to the Benefit of Global Warming"所謂、巷で流れていて且つ多くの人に信じられている、通説・俗説を、科学的思考によって、どの程度信頼できるのか検証する本。題名が軽そうに見えて、結構本格的な内容。本書では、下記の8つの考えについて、その"インチキ度"を以下の様に判定した(インチキ度0→根拠があり確実性が高い、インチキ度4→証拠はなく疑わしい)2018/06/24
こうじ
1
「ゲイ遺伝子」「宇宙人」「超能力」などの8つのテーマについて肯定派と否定派の双方の仮説や統計的なデータを示して、著者の視点でフェアに見て、どれだけ信頼できそうか判定している本。テーマは怪しげだけど、内容は極めて真面目。特に統計的なデータの使い方の恣意性を考える上でも、役立つ内容だと思った。2017/03/19
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