内容説明
家を出た孫娘が、祖母の元へ帰ってきた。亡き母、まだ見ぬ父、そして祖母の死。ひとりぼっちになった孫娘はルーツを求めてさまよい、やがて「おまえに」と書かれたノートに気づく…。『心のおもむくままに』待望の続編。
著者等紹介
タマーロ,スザンナ[タマーロ,スザンナ][Tamaro,Susanna]
1957年、イタリア・トリエステに生まれる。子どもの頃に両親が離婚し、祖母に育てられる。10代の終わりにローマへ移り、映画実験センターでシナリオの勉強を始める。イタリア国営放送のために記録映画を製作しながら小説を書きつづけ、1989年に処女作『うわの空で』を発表、エルサ・モランテ賞を受賞。91年には短編集『独りごとのように』を発表し、イタリア・ペンクラブ賞、ラパッロ賞を受賞。イタリア中部ウンブリアのオルヴィエートに住む
泉典子[イズミノリコ]
1942年、神奈川県に生まれる。東京外国語大学大学院修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Asako Nakamura
5
ひりひりと痛む傷口をさらにごしごしするような主人公の境遇ですが、自分を見つめ、生きることに真摯であろうとする姿が印象的でした。何を信じて生きるのか。大叔父の、樹木と人を重ねる考え方が心に残りました。2014/09/24
ochatomo
1
若きユダヤ系イタリア人女性が心の内面へ問いかけ 信仰と宗教、何を信じているかどうして生きているのか 2007刊 2010/07/31
ず〜
0
身につまされる話だった。私にも根っこがない。自分は何者か、そしてこれからどうやって生きていくべきか、悩んでたくさん旅をしたあげく、最後にはきっちり方針を決めた主人公はかっこいい。そして、アウシュビッツは現代にも起こるんだという言葉は忘れられない。2017/12/28
kinaba
0
自分のルーツを求めたい、という思いの確かに伝わる語りから始まる物語だった。2010/07/04