内容説明
道に迷ったときは立ちどまって、じっと「心の声」に耳をかたむけてごらん。家を出た孫娘にあてて、老女は置き手紙のつもりで日記を綴り始める。穏やかな語りかけが、生きることへの励ましと安らぎを与えてくれる、心にのこる名作。
著者等紹介
タマーロ,スザンナ[タマーロ,スザンナ][Tamaro,Susanna]
1957年、イタリア・トリエステに生まれる。子どもの頃に両親が離婚し、祖母に育てられる。10代の終わりにローマへ移り、映画実験センターでシナリオの勉強を始める。イタリア国営放送のために記録映画を製作しながら小説を書きつづけ、1989年に処女作『うわの空で』を発表、エルサ・モランテ賞を受賞。91年には短編集『独りごとのように』を発表し、イタリア・ペンクラブ賞、ラパッロ賞を受賞。イタリア中部ウンブリアのオルヴィエートに住む
泉典子[イズミノリコ]
1942年、神奈川県に生まれる。東京外国語大学大学院修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ・ラメーテ
20
          
            自分の命が残り少ないと気付いた老女は一緒に暮らしていた孫娘に自分の過去と気付きを日記のように残そうと考える……。孫娘へのメッセージ、心に響く言葉の数々。続編もあるらしいので、読んでみたい。2014/11/24
          
        ナハチガル
11
          
            ひさしぶりに「ジャケ買い」ならぬ「ジャケ借り」して読み始めたら大当たり。だったのだが、検索してみたら今年の2月に「読みたい本」としてすでに登録していた。なんだかキツネにつままれたような気分である。まあそれはともかく、祖母、母、娘、孫のどの立場の女性でも共感できる内容だろうし、異性として男性が客観的に読んでも面白く、共有できる普遍的な要素も少なくない。ちょっと大げさかもしれないが、小説という体裁で表現しうる一つの完璧な形だと思う。傑作。もっと読まれていいと思う。今のところ続編を読む気はしないけれど。A+。2016/06/07
          
        ぱせり
3
          
            老いて、死を前にしたオルガの言葉の一言一言は、磨き抜かれたようで、静かに心に沁みてくる。時に反発を感じたりもしながら。オルガ自身、自分が完全ではないことをよく知っている。そのうえで、確かに伝わってくるのは、読み手(孫娘)に対する限りない慈愛だった。2013/02/15
          
        ず〜
1
          
            この本を読んでいる時期、ずっと、人は互いに何も言わなくてもわかりあうことはできるのだろうかと考えていた。わかりあえないと思って絶望したかと思えば、やっぱりわかりあえるかもと思い、またまたわかりあえないとしょんぼりしたりした。そして、女性って悲しいなと思った。2016/03/01
          
        zzz
1
          
            手紙形式で始まる、後悔と優しさの物語。あたたかく、ありのままで、切なく、どうしようもない。自分が年をとったときのことを考えてしまった。
          
        


 
               
              


