内容説明
中国食品が世界の食卓を脅かしている。だが、国内の食品汚染はもっと深刻だ。ホルモン剤を添加した養殖水産物が原因で性早熟児があらわれた。喘息治療薬で赤身化したブタ肉による中毒事件の多発。発癌性のある合成染料で卵の黄身を鮮やかにする。下水のゴミ油を加工して屋台の食用油や安いサラダ油に。農地には水銀がしみ込み、水道管の八割に鉛塩が使われている。不衛生、利益優先・安全無視。いったい中国では何を食べたらいいのか。4年にわたり、食品の安全問題を取材してきた中国人ジャーナリストが、恐るべき実態とその社会的背景に鋭く迫り、2006年度のドイツ「ユリシーズ国際ルポルタージュ文学賞」佳作となった衝撃の報告。日本はこれらの汚染食品を水際で食い止められるのだろうか―。
目次
第1章 民族の命運にかかわる「食品汚染」
第2章 豚の赤身肉が「妖怪」になるまで
第3章 恐るべき食品危害
第4章 経済のグローバル化と「食の安全」をめぐる戦い
第5章 引き裂かれた「天」を修復する―食品の安全は守れるのか
著者へのインタビュー―悪化の一途をたどる中国国内の食品安全問題
識別法 中国で食品を買うときの注意と選び方
著者等紹介
周勍[シュウケイ]
1964年、西安生まれ。中国作家協会魯迅文学院、西北大学作家コースに学ぶ。89年の天安門事件に連座し、3年近く獄中に。現在、『口述博物館』誌編集長。中国独立ペンクラブ会員、中国民間文芸家協会会員。85年から作家活動による著作、論文多数。北京在住
廖建龍[リョウケンリュウ]
1934年、台湾生まれ。59年、東京大学農学部卒業。有機化学で農学博士。日本の香料会社の中国市場への進出に携わる。90年代から、中国と台湾の政治・経済問題の研究に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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