内容説明
出色の英国論である。三十年を越える在英体験から、著者が知り得たものは?この本で何より驚かされるのは、イギリス人がしぶとく伝統を守っていることである。日本のように壊していないのだ。都市においても農村においても景観を変えないように細心の注意を払っている。こうした日常の努力があってこそ伝統は守られるのだと著者は力説する。
目次
第1章 日本とイギリス―侍の国と紳士の国
第2章 階級社会―日本でなされている誤解
第3章 ダイアナとカミラ―王室について
第4章 イギリスのしつけと家庭教育―しつけは家庭で
第5章 福祉・慈善・ボランタリー活動―十九世紀からの公徳心
第6章 現在のイギリス―メディア・政治・テロ対策
第7章 豊かさとは―進んだ国と遅れた国を定義すると
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こまき
1
日本人のなかでもなんとなく人気の高い国であるイギリスだが、そのなんとなくには甚大な努力があるのだと感じた。 伝統文化にろくに触れずに育つと年をとったときに帰ってくる場所がない。愛国心を育むものは遠くの美景ではなくふるさとの風景である。西洋的な騎士道精神が根付くはずもない、東洋的な儒教精神まで失ってしまった。敗戦がきっかけであっても、いつまでもそれを言い訳にはできない。貴族院や、式典での格好は現代社会に合うものではないが、なくしてしまったらもう戻せない。理由は伝統だからで十分である。 非常に興味深かった。2013/01/13
もとせ
1
161頁引用【イギリスの消費税率17%というのはものすごく高いということは確かに言えるが、いろいろなやり方があって、まず、食料品にはかからない。もちろんレストランで食べるとかかる。だから、家で料理を作れば消費税は払わなくてもいいということである。それからもう一つ、子どもの洋服や靴、これにも消費税はかからない。さらに本や雑誌や新聞にはかからない。この三つは消費税がかからないのである。】2011/01/28
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