脳は空より広いか―「私」という現象を考える

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794215451
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C0045

内容説明

「私」が感じるこの「感じ」、すなわちクオリアは、誰とも共有できず、どのような精巧なコンピュータでも再現できない。脳はいかにして、これほどまでに多様で複雑なクオリアを生み出すのか。なぜ意識には「私」が生じたのか?そもそも「心」は脳の活動によって説明できるのか?神経ダーウィニズム、ダイナミック・コア仮説―驚くべき理論を次々と打ち出し、現在の脳研究のあり方を決定的に変えてきたノーベル賞科学者が、初めて一般向けにやさしく最新の理論を説く。スリルと驚くべき知見に満ちた脳・意識論。

目次

ヒトの心―ダーウィンのプログラムを完成させる
意識―想起される現在
脳を構成する要素
神経ダーウィニズム―脳の大局論に向けて
意識のメカニズム
脳は空よりも広い―クオリア、統合、複雑系
意識と因果作用―現象変換
意識と非意識―注意と自動的動作
高次の意識、そして表象について
意識の理論、意識の特性
自分であること―自己・死・価値
心と身体

著者等紹介

エーデルマン,ジェラルド・M.[エーデルマン,ジェラルドM.][Edelman,Gerald M.]
1929年生まれ。脳神経科学者。免疫学、細胞生物学、生化学など多くの分野でめざましい業績を上げ、1972年にノーベル医学・生理学賞を受賞

冬樹純子[フユキジュンコ]
東京理科大学薬学部卒業。製薬会社研究所勤務を経て、トロント大学生理学部修士課程にて神経生物学を学ぶ

豊嶋良一[トヨシマリョウイチ]
1947年生まれ。東京大学医学部卒業。埼玉医科大学精神医学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう

2
★★★★★ 本書では「私」を「意識」として考察している。我々が当たり前のように感じている「意識」はどこから発生しているのか。それを脳の活動を通して説明している。内容は専門的な部分もあるが、概ね理解しやすいように記述されており、脳科学に携わっていない私でも全てではないが理解することができた。普段意識しない行動の一つ一つに、脳内では膨大な処理が行われていることがわかる。何気ない日常がとてつもなく貴重な一瞬であることに気づかされる一冊。2017/05/30

まっきaka谷林

2
「哲学的ゾンビ」「コンピュータモデルとしての脳」を否定し、「クオリアの存在」を肯定している。意識自体ではなく意識の発生プロセスをはっきりさせる本。面白いかと言われると微妙だが、意識と脳の関係に対するいくつかの誤解を訂正してくれた。あくまで一つの立場からだが。2012/08/19

monado

1
本書の中核となるのはダイナミク・コア仮説だが、随伴現象説のファインチューニングにしか思えなかった。ただこの仮説が正しければ論理的に哲学的ゾンビは確かに存在しない。2024/07/11

Go Extreme

1
ヒトの心―ダーウィンのプログラムを完成させる 意識―想起される現在 脳を構成する要素 神経ダーウィニズム―脳の大局論に向けて 意識のメカニズム 脳は空よりも広い―クオリア、統合、複雑系 意識と因果作用―現象変換 意識と非意識―注意と自動的動作 高次の意識、そして表象について 意識の理論、意識の特性 自分であること―自己・死・価値 心と身体2021/04/25

てぬてぬ

1
抗体の研究でノーベル賞を受賞したエーデルマン博士の本。脳の複雑なネットワークが神経回路の自然選択によって生じるとする「神経ダーウィニズム」はなるほど目から鱗だったし、脳内の神経回路C'と、それに伴立する現象変換としての意識Cも、従って哲学的ゾンビの議論が不毛であるというのもよく理解できた。けれど肝心の「ダイナミックコア仮説」が全然ピンとこない笑。「再入力回路による発火の同期化でまとまったひとつの時空間的構造体が時々刻々と立ち現れるのだ!」うーん……笑2019/01/29

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