出版社内容情報
千里眼と呼ばれた御船千鶴子、長尾郁子、高橋貞子らに超能力(透視と念写)の実験を行い、その科学的解明に一生を捧げた心理学者・福来博士の悲劇を描く。
内容説明
大学を追放された超心理学者・福来博士の悲劇を描いた興味津々のノンフィクション。
目次
序章 熊本からの運命の来訪者
第1章 福来友吉の故郷・飛騨高山
第2章 熊本の千里眼―御船千鶴子
第3章 千里眼への学者たちの眼差し
第4章 四国丸亀の千里眼―長尾郁子
第5章 福来友吉と「念写」の発見
第6章 千里眼事件―実験中に起きた二つの変事
第7章 東京の千里眼―高橋貞子
第8章 『透視と念写』の出版と大学追放
終章 福来友吉の晩年とその死
著者等紹介
寺沢龍[テラサワリュウ]
昭和10(1935)年、大阪生まれ。平成9年、定年退職をした後、第二の人生をこれまでとは異なった世界で「自己解放」するべく著述を始めた。その第一作が『薬師寺再興 白鳳伽藍に賭けた人々』で、第二作が『透視も念写も事実である』、第三作が『飛鳥古京・藤原京・平城京の謎』(いずれも草思社刊)とたてつづけに上梓し、旺盛な作家活動を展開している
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感想・レビュー
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臓物ちゃん
3
オカルトフェチなら必ずや名前を聞いたことのある超心理学者・福来友吉博士の数奇な生涯を辿った一冊。戦後は疎開先の仙台で細菌学者の志賀潔と仲良くなって一緒に心霊学の研究団体を立ち上げた、とかいう博士の意外な人生が知れて良かったけど…御船千鶴子や長尾郁子はまぁいいとして、三田光一の「月面念写写真」が本物であると断じるってそりゃねーよ作者。だって本物の写真と見比べてみたら違ってるのなんて一目瞭然だもん、嘘を書いたらいかんよ嘘は。半信半疑で読むべし。2015/05/07
Fumihiko Kimura
1
福来氏の話は、松山巌(著)「うわさの遠近法」の中で初めて知ったが、本書を読んで、超能力の当否は措くにせよ、福来氏が大変誠実な学者であったことがわかり印象が随分変わった。2017/12/09
志村真幸
0
著者は定年後に文筆活動に入ったという人物。薬師寺や明治期の女子留学生について著作がある。 以前から福来に関心があり、本書をまとめることになったとか。 福来の透視・念写の実験について、一次資料を丹念に追い、新聞資料も揃え、関係者の証言をきちんと整理することで、その実態を明らかにしている。非常に詳しく、分析も丁寧。信頼できる内容だ。 立場的には福来寄り。しかし、透視・念写を単純に肯定する内容ではない。 多数の写真資料も収められ、透視・念写がどのようなものだったのかを、ヴィジュアルに理解できる。2021/09/16
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