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出版社内容情報
日本の民話と欧米の類似した話を比較することで、日本人の心にインプットされた自責の念の強さを立証する。「日本=恥の文化」という図式を覆す文化論。
内容説明
日本人はちょっとしたことでも「申し訳ない」と思う国民である。だから相手に明らかな非があっても、自分にもある程度は責任があるというような場合には、相手をうまく責めることができない。自責の念が邪魔をするのだ。なぜ日本人はこうなのか。本書では欧米の民話と日本の類似した話を比較して、日本人の心の中に根深くインプットされた自責の念の深さをあぶり出す。『菊と刀』によって日本人に刷り込まれた「日本=恥の文化」の図式を覆す瞠目の書。
目次
第1部 自分に裁かれる日本人と神に裁かれる欧米人(日本は罪の文化だ;民話にみる罪の意識のちがい;裁くのは神か自分か;罪の意識と罪の知識 ほか)
第2部 日本人の遵法精神はどこからくるのか(忠臣蔵を取り巻く歴史;欧米人はなぜ忠臣蔵を理解できないのか;忠臣蔵に込められた日本人の価値観;喧嘩両成敗が理解できない欧米人 ほか)
著者等紹介
長野晃子[ナガノアキコ]
1938年生まれ。中央大学大学院文学科仏文学専攻博士課程満期退学。現在、東洋大学社会学部教授。1976~77年フランス国立リヨン第三大学客員助教授、1987~88年フランス国立ストラスブール人文科学大学客員教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さき
4
「日本は恥の文化」ということをもう一度考え直してみるというもの。たしかに、「罪」というよりは「恥」というイメージが強いように思っていたが、これを読んでみて一概にそういうわけでもないと思った。特に民話や都市伝説、忠臣蔵などの欧米と日本における解釈の違いが「罪」や「恥」に対する考え方の違いにつながるのはおもしろい。日本人はすぐに謝ってしまうが、それが円滑なコミュニケーションの一端を担っているというのはわかる。2017/05/20
莉野
3
民話は、同族共有の価値観を形成する一助となっている。この本を読んで、荻原さんや上橋さんが『ファンタジーの根っこには神話が、脈々と吸い上げられているものがある』と言ったことがわかった気がする。今までヴェールがかかったような感じだったが、この本で浦島太郎や諸国を流れ行く僧の物語などが例に挙げられているのを見て不意にわかった…ような…。今の物語もそうなんだ、『蟲師』とか『空色勾玉』とか『刻の大地』とか、実は話の流れが昔とほとんど変わりがないんだ。今も昔も日本人には同じ根っこが、流れがあるんだと体で感じた。2011/01/07
Mono
3
菊と刀にひたすらもの申す。言ってる事は成る程と納得できる部分もあるが、あんまり「日本人イケてるよ!胸張っていいよ!」と持ち上げられるとハズカシイと思ってしまうからやっぱり恥の文化かもしれません。2010/06/20
紺
2
ベネディクトの言う「恥の文化」は褒め言葉だと思っていたので、この本で間違いに気づけてよかった。欧米と日本の民話比較が面白い。2016/06/11
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