時間旅行者のための基礎知識

ゴット，Ｊ．リチャード【著】〈Ｇｏｔｔ，Ｊ．Ｒｉｃｈａｒｄ，３〉/林 一【訳】

草思社（2003/08発売）

• サイズ B6判／ページ数 294p／高さ 20cm
• 商品コード 9784794212337
• NDC分類 421
• Cコード C0042

出版社内容情報

ＳＦや映画に出てくる、ワープ航法やワームホールは、現実には可能なのか？　タイムトラベル研究の第一人者が時空と宇宙の謎を基礎からわかりやすく解説。

内容説明

２０世紀、人類は超えられないと思われていた音速の壁を超えた。だとしたら時間の壁も―。そう、ＳＦ小説や映画の中で語られてきたタイムトラベルは、いまやただの荒唐無稽な夢物語ではない。物理学者たちは、時間の壁を超える可能性を真剣に考えているのだ。いったいどんな仕組みで行くのか、過去や未来に行けたらいったい何が起こるのか、タイムトラベラーたる者、出かける前に知っておかねば！宇宙ひもなる独自のアイデアを打ち立て、タイムトラベル研究を邁進してきた第一人者が、めくるめく時間旅行の世界を楽しく案内する。

目次

第１章　夢の時間旅行へ（タイムマシンがあったら；『タイムマシン』が考案した第四の次元としての時間　ほか）
第２章　未来への旅（未来へのタイムトラベルは可能である；アインシュタインの時間と光速の研究　ほか）
第３章　過去への旅（あなたは過去を見られる？；湾曲した時空は過去への旅の扉を開く　ほか）
第４章　タイムトラベルと宇宙のはじまり（リー・リシンからの手紙；真空と時間順序保護　ほか）
第５章　未来からふりかえる（未来からのタイムトラベラーの疑問；未来の科学的予測　ほか）

著者等紹介

ゴット，Ｊ．リチャード［ゴット，Ｊ．リチャード］［Ｇｏｔｔ，３，Ｊ．Ｒｉｃｈａｒｄ］
プリンストン大学宇宙物理学教授。長年におよぶ研究から「宇宙ひも」という独自のアイデアを打ち立て、タイムトラベルの可能性と限界について次々に新しい提案をつづける第一人者

林一［ハヤシハジメ］
昭和薬科大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[磁石]

これからタイムトラベルをする人へ、する予定の人にも。同じタイムトラベラーに会った時、恥をかかないための基礎知識。これさえ知っていればタイムトラベルなんて怖くない！　……というガイドブックではないです。空想上の話でしかなかったタイムトラベルを、真面目に実現しようと模索している科学者たちの話です。

2014/05/02

[GASHOW]

「タイムトラベルができるなら未来から来ているはずだ。」という意見がある。それができるのはタイムマシンができてからだそうだ。存在しない時代には未来からもいけない。時間は絶対的なものではないが、過去へのハードルは難しい。ブラックホールの活用が必要となるが、それも難しそうだ。

2017/02/08

[しんかい３２]

内容としては宇宙論の本。著者はライターではなく本職の研究者なのだが、相対性理論と光円錐、宇宙ひもをつかったタイムスリップの説明などが今まで読んだ類書で一番わかりやすくて感動した。第4章の、宇宙はタイムループで始まったという仮説はさすがに難解。５章の、コペルニクス原理を利用した未来予測は、話としては面白いがどこまで本気なんだろう。

2010/04/24

[やん]

原題は「アインシュタインの宇宙におけるタイムトラベル」。タイムトラベルを扱った映画から時空の話に入るのでとっつきやすい。中高生の時に夢中でブルーバックス等を読んでいた頃のワクワク感を思い出した。宇宙研究や天体物理学の第一人者である科学者が20年前に書いた本。ひも理論の解説も。タイムマシンは単なる乗り物ではなく時空そのものの特異な形であると納得。内容はそこそこ難解なのに文章と図版が分かりやすくて楽しく読めた。第4章後半から第5章にかけてはちょっと読み疲れたものの、訳者の腕がいいのか全体的に読みやすかった。

2021/07/21

[このこねこ@年間500冊の乱読家]

⭐⭐⭐ タイムトラベルガチ勢の物理学者が書いた一冊。基礎知識のレベルが高すぎて笑ってしまう。が、実際にタイムトラベルをしようと思うとこんなもの基礎知識の「キ」にすら届かないので震える。 タイムトラベルと言いつつ、時空について学べる真面目な物理本。

2020/12/14