日本のピアノ100年―ピアノづくりに賭けた人々

日本のピアノ100年―ピアノづくりに賭けた人々

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  • サイズ B6判/ページ数 382p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794210869
  • NDC分類 582.7
  • Cコード C0095

内容説明

戦後、日本はいくつもの世界トップクラスの製品をつくり出した。カメラから始まって、船舶、自動車、家電製品など。その中で忘れてならないものの一つにピアノがある。日本で初めてのピアノがつくられたのは今から百年前だが、戦前は工場の規模こそ世界でもトップクラスになっていたものの、質の点では欧米の製品に比ぶべくもなかった。しかし、戦後状況は一変する。高度成長で資金を蓄積したピアノ・メーカーは、新しいコンサート・グランド・ピアノの開発に情熱を傾ける。そしてついにリヒテルやグレン・グールドが愛用するピアノをつくり、日本を世界のピアノ王国にした。これはピアノづくりに情熱を傾けた人々の初めての本格的物語である。

目次

戦前篇 洋琴からピアノへ―国産ピアノ誕生前夜から一九五〇年まで(文明開化期のピアノ;オルガン製造に群がる男たち;国産ピアノ第一号誕生;洋楽ブーム;戦前のピアノ黄金時代へ)
戦後篇 世界の頂点へ―一九五〇年から二〇〇一年まで(戦後の再出発;大量生産の時代;イメージ戦略と販売競争と;コンサート・グランドへの挑戦;日本のピアノはどこへ行くのか)

著者等紹介

前間孝則[マエマタカノリ]
ノンフィクション作家。1946年生まれ。石川島播磨重工の航空宇宙事業本部技術開発事業部でジェットエンジンの設計に20年間従事する。1988年に同社を退社

岩野裕一[イワノユウイチ]
編集者・ジャーナリスト。1964年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。『王道楽土の交響楽満州―知られざる音楽史』(音楽之友社)で第10回出光音楽賞受賞。日本出版学会会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

赤とんぼ

22
ぎんこさんのレビューを読んで、面白そう!と読んでみました。ピアノが好きな人には、お勧めしちゃいます。前半の山葉寅楠の生涯も面白いですが、明治初期からいくつかの戦争、そして経済危機を乗り越えてきた(そして乗り越えられなかった)企業のあり方は、現在の音楽業界の不況ともあいまって、非常に興味深いものがありました。経済的見地、ピアノという楽器そのもの、それらを支えた人々の生涯と信念、などなど、さまざまなことを知ることのできる良書であると思います。2013/05/25

今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン

9
すぐれたピアニストがピアノ職人になるのと、すぐれたピアノ職人がピアニストになるの、どっちが難しいんだろ。音をつかむ耳がなければよいピアノは作れないということは読まないとわからなかったよ。ヤマハ式の音楽教育が日本をダメにしたみたいによく言われるけど、山葉寅楠がいなければ日本にこれだけピアノは普及しなかっただろうな。2013/05/28

Koki Miyachi

8
日本のピアノづくり100年の歴史を纏めた良書。ピアノの伝来、日本のピアノ黎明期から国産ピアノ第一号誕生、第二次世界大戦を乗り越え大量生産の時代、世界レベルのコンサート・グランドの誕生まで、一気通貫で概観することができる。綿密な調査に基づいた記述は精緻で読み応えがある。ピアノ製作に留まらず、時代背景の分析、国際情勢や国内事情まで幅広く多面的な視野をもった内容は、日本近代化の歴史と言っても過言ではない。写真等の図版も数多く収録され、ヴィジュアル的にもとても充実している。2013/07/26

Takako

6
明治維新後に日本が開国したのち、西洋から入ってきたピアノに出会い、ピアノ作りに奔走した人々の100年のノンフィクション。日本人が文明開化で西洋音楽に出会ったところから、世界を舞台に日本のピアノが活躍するまでの険しい道程が事細かに書かれています。現在、日本の大手ピアノメーカーであるヤマハ、カワイはもちろん、名器として有名なスタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインなど、そうそうたるメーカーが多数出てきて大興奮。ピアノづくりに賭けた人々の熱い思いに胸打たれる内容でした。2018/08/19

Ryuji

6
★★★☆☆タイトルのとおり日本のピアノ製造100年の歴史について書かれた本。あらためて日本の技術者達は凄いと思う、電機メーカーなどの創業者達もそうだが仕事に対する姿勢が真摯である。当然と言えばそれまでだがヤマハの話が中心、何故「ヤマハ音楽教室」が出来たのかなどは非常に興味深かった。題材がとても珍しい本、興味のある方にはお薦め。2013/06/01

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