内容説明
戦後、日本はいくつもの世界トップクラスの製品をつくり出した。カメラから始まって、船舶、自動車、家電製品など。その中で忘れてならないものの一つにピアノがある。日本で初めてのピアノがつくられたのは今から百年前だが、戦前は工場の規模こそ世界でもトップクラスになっていたものの、質の点では欧米の製品に比ぶべくもなかった。しかし、戦後状況は一変する。高度成長で資金を蓄積したピアノ・メーカーは、新しいコンサート・グランド・ピアノの開発に情熱を傾ける。そしてついにリヒテルやグレン・グールドが愛用するピアノをつくり、日本を世界のピアノ王国にした。これはピアノづくりに情熱を傾けた人々の初めての本格的物語である。
目次
戦前篇 洋琴からピアノへ―国産ピアノ誕生前夜から一九五〇年まで(文明開化期のピアノ;オルガン製造に群がる男たち;国産ピアノ第一号誕生;洋楽ブーム;戦前のピアノ黄金時代へ)
戦後篇 世界の頂点へ―一九五〇年から二〇〇一年まで(戦後の再出発;大量生産の時代;イメージ戦略と販売競争と;コンサート・グランドへの挑戦;日本のピアノはどこへ行くのか)
著者等紹介
前間孝則[マエマタカノリ]
ノンフィクション作家。1946年生まれ。石川島播磨重工の航空宇宙事業本部技術開発事業部でジェットエンジンの設計に20年間従事する。1988年に同社を退社
岩野裕一[イワノユウイチ]
編集者・ジャーナリスト。1964年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。『王道楽土の交響楽満州―知られざる音楽史』(音楽之友社)で第10回出光音楽賞受賞。日本出版学会会員
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感想・レビュー
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