内容説明
日本一貧しいといわれた農村の生活改善、婦人の地位向上に取り組み、九十代になってもますます精神の輝きを見せた伊藤まつを媼の23年にわたる聞き書き。
目次
1 過ぎ越し幾山河をふりかえる(提灯のような涙;嫁づとめ、死に道五年;爺様の砂糖孫;死にクタバリ十年 ほか)
2 九十路の坂をまたも越えゆく(原稿気狂になって老後を楽しく(昭和六十三年)
昭和の最後の日をこの目で見て(昭和六十四年・平成元年)
ころっと死にたい(平成二年)
宇宙に抱かれて暮らしているよ(平成三年) ほか)
著者等紹介
石川純子[イシカワジュンコ]
昭和17(1942)年、宮城県生まれ。昭和40年、東北大学教育学部卒業。同年、岩手県水沢第一高校教諭となり、平成2年、同校を退職。退職後、個人誌『垂乳根の里帰り』、麗ら舎読書会を拠点に、古老たちの聞き書きを続ける
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感想・レビュー
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眠り姫
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前半は苦しい、本当に苦労の連続でよく生きていらしたと、、、その苦労を乗り越えて乗り越えて、後半は思わず微笑んでしまうくらい苦労も苦労と思わせないユニークな発言に心が和みます。常に感謝を忘れない、何よりももぞい人を大切にし、謙虚でありながらも改善を続ける意欲と挑戦に頭が下がります。2014/02/06
ペンギン道
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明治27年生まれの岩手県の農村に生きたまつをおばあさんからの聞き書きをまとめたもの。90代のまつをさんが素晴らしい記憶力で過去を語り、さらに音楽や文学への造詣が深いことにも感銘を受ける。女性の人権がなかった時代によくぞこれほど強くしなやかに生きることができたもの、と驚愕する。2022/05/07