内容説明
遺伝子の突然変異だけでは、生命の進化は説明できない。そこには細菌細胞の融合と合体、共生というじつに生きものらしい過程があった!ヒトの細胞内にあるミトコンドリア、植物の光合成をになう葉緑体、神経や精子のしっぽまでが、遠い昔に合体した共生細菌だという―。生物学の常識に立ち向かい、ついに認められた「共生説」の第一人者が、生命の誕生、性の起源の謎に挑む。いま「共生」は生命観を支えるキーワードだ。
目次
1 共生はいたるところに
2 正統に逆らう
3 取り込みで生じる個体
4 ブドウの名前
5 浮きかすから生まれた生命
6 受け継がれてきた性
7 上陸
8 ガイア
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜長月🌙@読書会10周年
25
進化論といえばダーウィンの「種の起源」と思われる人もいるかもしれませんが「突然変異と自然淘汰」というネオ・ダーウィニズムは過去のものとなっています。「共生発生」こそが革新的進化や種の起源を説明することはもはや疑いがありません。細胞に取り込まれた細菌がミトコンドリアや色素体になったことはもはや高校の教科書にも出てきます。共生融合で生まれる生物は親とはまったく違った進化を遂げることで種の起源と呼ぶに相応しいものと言えます。DNAにより親の形質が子孫に伝わる遺伝は種の固定に役立っています。2016/06/19
うめ
18
学術的な描写は控えめで、それに至るちょっと時に生々しい裏話を中心に話が進む。学術書よりも、エッセイ風。だけれども内容は、ダーウィン進化論に異を唱えるもの。恥ずかしながら、初めて見知った事も多かった。入門書として最適な本。2016/07/09
厩火事
5
前半は勉強になったけど、後半は裏話とか恨み節とかでちょっと飽きた。SETの考え方を知れて良かった2017/01/12
静
5
マーギュリスが半生を振り返りつつ、自分の研究について語っていく。「生物の定義を自己増殖することにしたら、ウイルスは生物なのだろうか。ライフゲームのセルは生きているのだろうか」などとうだうだ考えたことのある人は、マーギュリスの与える明快な生物の定義にすっきりするのではないか。正しい分類は有用だし、あまり適切でない分類は混乱を招く。科学者たちが分類に縛られないで研究するなら、マーギュリスのもどかしさも解消されるのかもしれない。面白い点を書ききれないけれど、とにかく私には面白かった。勧めてくれた教授に感謝2011/11/28
ひょっとこ
0
これは面白かった。それしか覚えてない。