内容説明
「愛される」ことではなく「愛する」ことが重要と説くヘッセの「恋愛論」。
目次
氷の上で
遅すぎる(詩)
断章
ハンス・ディーヤラムの修業時代
旋風
私は女性たちを愛する(詩)
あの夏の夕べ
エリーザベト(詩)
美しければ美しいほど私には縁遠く思われた
そのように星辰は運行する(詩)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gotoran
41
私の好きな作家のひとりのヘッセ。本書は、詩やデッサン風のコント、断章的なエッセイのような回顧譚など、形式に囚われることなく自由に綴られた、そのまま詩集であり、御伽噺であり、人生哲学でもあり、書簡でもある。少年期の淡い恋から壮年期の愛欲、そして晩年の愛の境地へ。年代毎に恋愛経験を重ね、『愛されることではなく、愛することにこそ幸せがある』に達する。細かい心理描写はヘッセならではの表現。耳が痛くなるような言葉もヘッセのメッセージはやさしい。そしてなるほど…と思わせる。何度でも読み返したくなる。 2024/03/24
魚京童!
13
私は幸せなのだろうか。幸せになりたいのだろうか。幸せになれるのだろうか。幸せになりたい。2018/05/25
テツ
8
ヘッセ好きなので古本屋で購入。愛に関する詩文集。「愛されることが幸せだと誰もが思っている。しかし実際のところ愛することこそが幸せなんだ」与えること、愛することを幸せだとみんなが思えれば世界中幸せになるのにな。何かを他人に求めることに必死になっているうちはきっと人は救われない。性愛的な物ではなくもっと大きな愛情を振りまける人間でありたい。2014/01/31
Kan
7
愛は与えるものである。 ヘルマンヘッセも1人の女性を情熱的に愛せるようになるまで、いろんな挫折を経験してきたんだなと思った。2021/09/01
梨
6
(図書館)愛されることよりも愛することこそが幸せであるということ。定期的に愛についての本を読んでいるけれど、どれも共通して「愛を与えること」、つまり能動的に生きることこそが人間の幸福なのだと実感する。相手から愛されても、その愛に報いることができないときに辛い想いをする、というのが今の心境にぴったりで心に刺さった。できれば手元に置いて、寝る前にゆっくり読みたい一冊。2014/09/07