内容説明
「あなたの助けが必要になるわ」外科手術にも化学療法にも耐え、必死に脳腫瘍との闘いを続けてきたルネイが、とうとう自殺を決意した。「もうたくさん。確実に死にたいのよ」致死量の薬を飲んだはずの彼女の呼吸は明け方を迎えても止まらなかった。もし実行すれば、苦悩を背負って生きることになる。実行しなければ、激しい後悔の念に苦しめられる―男はついに、ルネイの頭に黒いビニール袋を被せた…。エイズ、卒中、四肢麻痺、乳癌などに冒され、人間らしい死を切実に願う五人とそれを見守る家族の激しい葛藤を、ありのままに綴る迫真のドキュメント。彼らが死に至るまでの日々を共に過ごした著者が、患者と家族の立場から現代医療とホスピスのあり方を問い直す。
目次
1 プランAは生きるための闘い―ルネイ
2 最後の一線―ピエール
3 危険な快感―ジーン
4 死ねないという地獄―ケリー
5 残される者たちのために―メアリー
6 もうひとつの提案―ホスピスとヘムロック
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あむ
1
安楽死と自殺幇助についての本。翻訳本だからか、著者の気持ちや意見も、登場する実在の死を選んだ人たちの誰の気持ちもあまりよくわからなかった。生きようとありとあらゆる努力やサポートをみんなでしたけど本人の死にたいという気持ちを翻すに至らなかった、という結論がどの症例でも言われているんだけれど、どのような事をしたかというと記述がなかったり、「それは本当にベストといえる?」と思ってしまうような内容だったり…。結局は著者のある結論へと誘導されているような印象が最後まで拭えず、モヤモヤしました。2017/01/25
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- 和書
- マサチューセッツ工科大学